今日も朝方は寒かったですね。そのせいか、若干体調がすぐれないのですが、明日はお稽古で見学の方もお越しになりますので、早く寝て体調を整えないといけませんね。
さて、先日予告した通り、今日は客の作法について書いてみようと思います。これは当ブログの全ての記事について当てはまることですが、今回の記事は特に私の個人的考えが中心ですので、誰でも、またどの流派にも共通している考えではないことにご注意ください。
先日参加したある茶会において、正客の方が非常にぞんざいな道具の扱いをされていて怖い思いをしました。その方はどうやら随分と「茶会慣れ」をされているようで亭主の方との会話などもそつなくこなされていたのですが、非常に道具の扱いが雑でした。
個人的には他の作法はそこまでどうでもいいので、道具だけは丁寧に扱って欲しいです。自分の道具ならまだしも、他人様の道具ですからね…また、金銭的価値の大小だけで判断する方もいらっしゃいますが、たとえ「安物」であっても親の形見など非常に思い入れのある道具ということもあります。
私も初めて購入した茶道具は金銭的価値は高くないですが、思い入れのある道具の一つであることは間違いありません。どれだけ鑑識眼がある方でも、そういった価値というのは見抜けないものだと思います。
たとえ「こんなもん高くもないし、作家も存命だし、同じものはいくらでもできる」ということであっても、何かしらの理由から非常に大事にしているものかもしれません。そういったことに思いを巡らすことも大事だと私は思います。
細かな作法や形式的な部分に過度にこだわるよりも、他人のものを大事にするとか、きちんと人の話を聞くといった人として当たり前のことを大事にしていただく方が良いと思います。恐らく多くの亭主がそう思っていると思いますが、中には形式的なことにのみこだわる方もいらっしゃいます。
もちろん、形式的なことはどうでも良いと言っているわけではありません。そういったことを勉強することも大事ではありますが、流派によっても異なることがありますから、そういった形式的な「作法」を知らないことが「恥」ということも無いと思います。
テレビ番組では「常識」といったように採りあげられることもありますが、茶道を習っていない方にとっては細かな作法など知らなくても当たり前です。ただ、くどいようですが、そういったことを「常識」として知らない人に対して威張る人が多いことも残念ながら事実です。
本当はそういったことの方が恥ずかしいことなのですが…そういった方のせいで「お茶なんて…」と思う方が増えるのは大変残念です。私もどこでそのように思われてしまうか分かりませんので、常に気を付けていかないといけないと思っています。

だいぶ紹介が遅れてしまいましたが、先日のお稽古の際のお菓子。御菓子司東寺餅さんの「栗餅」です。こちらのお餅はふわふわで私好みの柔らかさです。
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今日は晴れて、気温も高くなりましたが、明日は雨になるそうですね。最近は少し雨が多いですが、新芽を出し始めてきた植物にとっては恵みの雨なのでしょうね。私としては道具が片付けにくくなる時もありますが…
さて、昨日天気予報を見ようとテレビをつけると、「茶席での作法の常識判定」なるものをされていました。芸能人の方が茶席での作法を「正しく」行えるかをみんなでチェックするというような番組でした。
一応、最初に「どの流派にも共通する一般的な作法です」との注意書きが小さく出ましたが、どうせ一つの流派の作法を「お手本」にして、それから外れるものは「間違い」とするのだろうと思いました。案の定、その通りの内容でした。
そもそも、茶道の作法というのであれば、現代においては「あの人の作法はおかしい」などと評論すること自体が無作法な行いです。解説に出てこられた先生も、「茶道にはこうせねばならない」ということはありませんと仰っていましたが、まあそれでは番組にならないのでしょう。
しかし、こういった番組が放送されることで、「茶道というのは堅苦しい嫌なものだな」と思われるのではないかと私は懸念します。そうでなくとも、「茶席の常識」などと言われると、あの番組の作法とは異なる作法をする流派にとっては困ったことになります。
流派によってはお茶を飲む前に茶碗を回さないところもありますし、回す流派でも回す向きが違うこともあります。その番組でポイントになっていた茶席において座る場所も流派によって異なります。
このようなことから、「どの流派にも共通する作法」というのはほとんど無いと私は考えています。相手のことを尊重するとか、道具を大切にするというのは共通していると思いますが、番組で意図していた「作法」とは異なりそうです。
どのような手順で茶席に入り、お茶を飲むかということよりも、人として当たり前のことを心がけた方がずっと良いと私は思います。
なお、その番組で「常識あり」と判断されていた方は、確かに順番などはある流派の規定するものに沿っていたのかもしれませんが、大きな時計や指輪をつけていたり、かなり長いネックレスをされていました。あれでは茶碗などに当たらないか心配でした。
細かな手順など大した問題では無いので、そういった装飾品はせめて外して欲しかったと個人的には思いました。まあこれも人によって感じ方は様々です。「手順の方が大事」と言い切る方はほとんどいらっしゃらないと思いますが、それに拘泥する方も多いのが現状です。教える側が工夫していかないといけないように思います。
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夜になって一気に冷えてきましたね。我が家でもついにストーブの登場です。しかし、余り早くからつけてしまうとストーブに頼り切ってしまうようにも思いますので、気をつけようと思います。
さて今日は茶席での会話について書いてみようと思います。先日の山荘の公開での呈茶席では、お上品な方が多かったからか、それとも緊張されていた方が多かった為か、静かな席となりました。
ご存知の通り、茶席では基本的には「正客(しょうきゃく)」と呼ばれる客、所謂メインゲストのような方と亭主が中心となって会話をいたします。流派によっても様々な形式があろうかと思いますが、ある程度形式的な問答もあれば、自由な会話もあります。
今回のような大勢の方が来られる会(「大寄せ」の会などと言われることもあります)では、正客にお茶を習われたことが無い方が座られ、お茶を習われた方は正客を避けられることがよくあります。
そうすると、正客となった方はそういったことをご存知ないので、静かな席となることもあります。さて、そうした時にどうするか?というのは、難しい問題です。
簡単に考えると2つの方法があるかと思います。1つ目は、特に話をせずに静かにゆっくりと点前を見てもらう方法で、2つ目は、一方的に道具の説明などをするという方法です。どちらが良い方法だと言い切ることはできないでしょうが、お客さまの反応を見つつ考える必要があるかと思います。
当流の席の場合、人数の多い千家さんなどから見て、「変わった」点前だと感じられることが多く、道具の話を聞くよりも点前を見たいという方が多いように個人的には思っています。これが反対に千家さんの席であれば、静かに点前を見るよりも道具や趣向などの会話を楽しみたいという方が多いように思います。
個人的には今回の席ではもう少しお話したかった気もしますが、当流の点前をじっくりと見たいと思っていただける方が多かったと良いように考えることにします。しかし、余り私の話に反応されずちょっと寂しい思いも…贅沢を言ってはいけませんね。

こちらは先日のお茶事の際のお菓子の候補の一つです。亀末廣さんの「きんとん」ですが、形が崩れてしまいましたね。「きんとん」は持ち運びなどの際に注意が必要です。
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今日もよく晴れた一日でしたが、夕方日が暮れると寒くなりましたね。明日の朝はまた寒くなるようですので、体調管理には気をつけたいです。
さて今日は茶席での客の作法について思うことを書いてみようと思います。
先日、ある席で話されているのを聞いたのですが、ある流派、ここではA流としましょう、の家元が「A流の席に来たからにはA流の作法でお茶を飲んでください」と仰ったというのだそうです。その話をされている方も「当然そうすべき!」という雰囲気のお話ぶりでした。
前後の会話の内容が分からないのと、そのA流家元が発言された状況が分からないのではっきりと言い切ることはできませんが、私はその意見には否定的です。
もし、その客人がお茶の作法は全く知りませんという方であればそれでも良いと思います。ただ、私ならその方から「どうすれば良いですか?」と聞かれた場合にしか当流の作法をお伝えするということは無いでしょう。
お茶のことを知らなくても、最低限、道具を大事に扱おうとしていれば特に問題になるようなことはありません。茶道を習われたことのない人が「お先に」などの挨拶がなくても、普通は「失礼な人だ!」なんて思いません。
そもそも、流派によって作法には大きな隔たりがあります。自分の慣れている作法で飲むことが一番安全に過ごす方法だと思います。道具の扱い方も慣れない方法で扱って粗相でもしてしまえば大変です。本当にそのA流の家元はそのようなことを仰ったのか疑問です。もちろん私の聞き間違いの可能性もあります(そうであって欲しいですが)。
それに、作法を知っている人に対して「こうしてください!」と言うなんて失礼な話だと思います。まるで「貴方は作法を知らない人ですね!」と言っているようなものではありませんか。客人が「そちらの流派の作法を教えてください。せっかくこちらの席に入らせていただいたのだから、私も一度その作法でいただきたい」などと言われたらお伝えする位がちょうど良いと思うのですが如何でしょうか?

先日の亀末廣さんのお菓子。お菓子の取り方やいただき方も流派によって様々です。
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今日は久しぶりに作法について書いてみようと思います。茶道を習われている方には「なんだそんなことか」と思われるかもしれませんが、つい疎かにしてしまいがちなことですから、お付き合いいただければと思います。
茶会などに招かれた際、形式的な作法に囚われ、本で読んだり(最近はネットで見たり)、習った作法を順番通り間違えずに行うことに集中してしまうことがあるかもしれません。先日、ある席で指輪をはめた方があり、ふと茶碗を持たれた際に「カチン」と音がしたことがありました。私は一瞬固まってしまいましたが、人によっては「カチン」ときてしまう方もあるでしょう。しかし、その方は茶道を結構な年数習われている方だったのですが、特に気にされる様子もなく普通にお茶を召し上がってました。
確かにその方は床の間の拝見などは慣れた様子でしたが、肝心なことが抜けてしまってられるように思いました。慣れてくると、どうしても気が緩んでしまうこともあります。
もし指輪やアクセサリーを外すのを忘れてしまったとしても、道具に当ててしまった時点で「しまったな」と思って、外すなりして欲しかったですね。その方は私より年齢も上で、茶道をされている年月も長い方だったので、私が言うのも失礼な話だと思い何も言えませんでした…たまたまその日は忘れていただけだと信じたいです。
一方で茶道は一度も習ったことがありませんという方に教えられることもたくさんあります。当教室にお越しになった方でお茶を召し上がる前に「いただきます」と仰った方がいらっしゃいました。当流ではお茶を飲む前に特に「いただきます」や「お点前頂戴します」などは言わずに飲むので、無言で飲むのが当たり前のように思っておりました。しかしそれを聞いて私は何かをいただく前には「いただきます」と言う、そんな当たり前のことを忘れていた自分を恥じました。
またその方は召し上がった後に「ごちそうさまでした。美味しかったです」と仰いました。知った風に「結構なお点前で」などと言う方がよくいらっしゃいますが、そんな借り物の言葉でなく自分の言葉で伝えてくださるというのは本当に嬉しかったです。皆さんも誰かに食事をご馳走になった時にはそういったことを仰ると思います。考えれば当たり前のことですが、つい「作法はこうだ」と考えてしまっていたのでしょう。
何事もそうかもしれませんが、ある程度慣れてくると「こんなもんか」と思ったりして、つい油断してしまうこともあるでしょう。また当たり前のことを忘れてしまうこともあるでしょう。しかしそういった時にこそ、一旦立ち止まって考え直すことも必要なのではないでしょうか?
形式だけを求めず、当たり前のことを当たり前にできるようなりたいものです。自戒を込めて…
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今日は茶席での主客のやりとりについて考えてみようと思います。これは流派によって異なりますので、詳しくはご自身の先生に確認してください。今回は山荘流の方法をご紹介いたします(薄茶の席と濃茶の席でも異なる点がありますが、濃茶の席に行かれることは余り多くないと思いますので、薄茶の場合を考えます)。
基本的に茶席では正客が皆を代表して亭主とやりとりします。大抵の場合、亭主から挨拶がありますのでその会の趣旨に合わせた挨拶を返します。例えば祝いの席などであれば「本日はおめでとうございます。このような席にお招きいただき大変光栄です」などといった感じでしょうか。
初めの挨拶は長過ぎないようにした方が良いでしょう。余り長いと他の話もできませんので…また全員が知り合い同士であれば構いませんが、大勢の席で知らない方も多いような席の場合、本人達(一部の人)にしか分からない話を長々としないように気をつけましょう(そういった話は他所でした方が賢明です)。この時の挨拶ですが、本来は一人ずつ挨拶をしていくのですが、人数が多い場合は正客とその他(連客)という風に挨拶される場合が多いです。最初から全員に対して挨拶される場合もあります。この辺りは雰囲気で感じ取ってください。
さて初めの挨拶が済んだら、まず床の間の飾付について尋ねます。待合などにも飾付があった場合は先にそちらを聞いておいたら良いでしょう。掛け軸の内容、絵ならば何の絵か?(分かる場合は「素敵な○○ですね」など)誰が描いたのか?などを聞きましょう。後は自分なりの感想を言えば結構です。たとえ気に入らない場合でも、「好みじゃないです」などとは言わないようにしましょう。聞くことは書でも特に変わることは無いですね。
花が生けてあれば、何の花か?器は何か?ということを尋ねましょう。器が立派であっても、あくまでも主役は花ということを忘れないようにしましょう(生ける人も忘れがちですが…)。
床の間には香合を飾ってられる場合もあります。その場合はそちらも尋ねましょう。詳しく分からない場合は「お香合は?」と尋ねておけば上手く答えてくれるはずです。
先日の記事でご紹介したように床の間に香炉があってお香がたかれている場合や付書院に文房飾りがされていることもあります。その場合はそちらについても聞いてあげてください。
そういった話をしている間に「お菓子をどうぞ」と声がかかると思いますので(タイミングを見計らって「お菓子を頂戴します」と言っても結構です)、お菓子を食べましょう。お菓子の感想を述べつつ、お菓子の銘と、どこのお菓子かを尋ねましょう(「大変美味しいお菓子ですが、ご銘は?」など)。
お茶を飲んだらお茶の銘とお詰(おつめ、どこのお茶屋さんのお茶か?)を尋ねますが、当流では全員が飲んでから(最後の客が一口飲んでから)尋ねます。ただ他の流派の方を見ていると正客が飲んだらすぐに尋ねるところが多いようです。お茶飲んだら茶碗についても聞いてみましょう。どこの焼物か?何か銘はついているのか?そういったことを聞けば良いでしょう。
さてお茶を飲み終わり、片付けられて茶器と茶杓が拝見に出されれば、そのときにそちらも尋ねます。当流ではそれまでは茶器・茶杓については尋ねません。これも他の流派ではもっと早くに尋ねられる場合が多いようですね。しかし後で拝見にでるのであれば、その時に話をする方が楽しい気もします。
まあざっとこんな感じでしょうか?これくらいの道具を尋ねてあげれば準備した方もホッとするかもしれませんね。余りにも何も聞かれなかった場合は、「お気に召さなかったのかな?」と不安になることもありますので。
もっともこの通りに聞かないといけないという訳では勿論ありません。使い方の分からない道具や、名前の分からない道具があった場合は「あれは何ですか?」と聞いていただいても全く問題ありません。それをきっかけに色々な話ができるかもしれません。濃茶の席では静かにすることが求められる場合も多いですが、薄茶の席では少し気楽に会話を楽しんでいただければと思います。
ちょっと長くなってしまいましたね。今度もう少し簡単にまとめてみようと思います。
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今日は宇治の市営茶室「対鳳庵」の手伝いに行ってきました。平等院の修理も終わり、各地からお客さまがいらしてました。
そこで色々とお話させていただき中で思ったことがありましたので、そのお話を。
茶席に入ると皆さん緊張されるようで、まず「作法はどうするのですか?」とか「茶碗は何回、回すんですか?」などとお訊ねになる方が多いです。その際、私は「あまり難しく考えずに気楽にお茶を召し上がってください」とお答えしております。確かに茶道には作法が色々ある部分もあります。しかし流派によっても大きく違うこともたくさんあり、茶碗を回す流派もあれば、回さない流派もあると聞きます。その為、全ての人が同じ作法を「正しい」と感じるとは限らないのです。もちろんお茶を習われている方であれば、ご自身の習われた通りにしていただければ結構かと思います。動作の順番や形だけの作法を気にされるよりも、道具を丁寧に扱うことなど人として当たり前のことをされていればそれで良いと思います。
もてなす側として私が一番困ることは「知ったかぶり」をされることです。以前茶席で「お茶の流派は表と裏しかないんや」とお話されているお客さまがいらしたことがありますが、他のお客さまに当流の説明もできず困ったことも…反対に、不思議なことですが、茶道を習っている方の中には「お茶は全く知りませんので」と謙遜(?)される方がいらっしゃいますが(正客を避ける為かもしれません)、茶席に入られる様子などを見れば一瞬で分かりますので余りそのようなことは仰らない方が良いのになあと思うこともあります。
茶席というのは人の粗探しをする場所ではありませんので、もっと気楽に来て頂けるように我々茶道人がより一層の努力をしなければいけないなと再度実感いたしました。
ただ今日の対鳳庵には、若い男性でお茶を習っている方や茶人の歴史に非常に興味を持っていらっしゃる方などがお越しになりました。そういった方がいらっしゃる限り茶道は次の世代に続いていくのかな?と希望の持てる一日でした。
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今日はお茶会に行く時に持って行った方が良いものについて考えてみようと思います。
既にお茶を習われている方はご存知のことばかりだと思いますが、まったくお茶を知らない人に向けて書いてみようと思います。
まずは「懐紙(かいし)」でしょう。
このようにお菓子のお皿代わりに使います。デパートやお茶屋さんで販売されています。流派によっては男性用と女性用と分かれていることもありますが、一緒の流派もありますのでご夫婦で一緒の物を使われても構わないでしょう。ただ男性の場合、懐紙の柄が女性らしいものであればちょっと恥ずかしい気がするでしょうから、無地の物にしておかれると良いでしょう。
後は「菓子切り」ですが、専用の物を使わなくてもお菓子に付いてくる簡易な楊枝でも結構です。専用の物があればそれにこしたことはありませんが、一回しか行かないのであればわざわざ買わなくても良いように思います。ただ周りが気になるのであれば購入されておいた方が無難です。懐紙と一緒に買っておきましょう。
後は靴下です。茶室だけでなく、畳の上に上がる際は素足は避けた方が良いでしょう(男女とも)。色は「白でないといけない」という流派もあるようですが、清潔な靴下であれば結構です。柄はない方が良いでしょう。穴が開いてないかも確認しておきましょう。
なお、お茶を習われている方は他に扇子や帛紗を持って行くことが多いでしょうが、使い方が分からないのであれば特に必要ありません。どう使って良いか分からなければ持っていても意味がありませんからね。
後は実際に行ってみて周りの人の様子を見ながら同じようにしておけば大きな問題はありません。また分からないことは周りの人に聞いたら良いのです。偉い先生も必ず初心者の頃があったのですから、きっと丁寧に教えてくれるはずです。
万が一、きちんと教えてくれなければその人は「茶人」ではないと思っていただいて結構です。本当の茶人は、周りの人に恥を掻かせないように上手に気を使える人ですので、変に知ったかぶりをしないで、分からないことは聞いてもらえれば結構です。たまに間違ったことを大きな声で他の人に教えている人もいますが…
経験を積むことで慣れますが、慣れるまでが大変かもしれません。「飲む作法だけ知りたい」という方の為のコースも設けております。ぜひお気軽にご連絡くださいませ。
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このシリーズも3回目になってしまいましたね。もう少しサラッと終わる予定だったのですが、文章を書くというのは難しいですね。
お菓子の食べ方を前回お伝えしましたが、補足を1点。菓子きりで切って食べるお菓子もありますが、薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)のようなお菓子は当流では手で割って食べます。お菓子の大きさによっては(一口大であれば)そのまま食べることもあります。
昨日はお茶を飲んで茶碗を返すところまで書きました。
お茶を飲んだ後に茶道ではお茶の「銘(めい、お茶の名前)」と「お詰(おつめ、お茶を詰めた所≒販売店)」を聞きます。回答としては「銘は『雅の白』で、お詰は柳桜園です」といった感じです。これが分かれば(一般に販売しているお茶であれば)そこのお店に行って購入することができます。
なお正客が一口飲んだ時にお茶銘等を尋ねる流派もありますが、当流では全員が飲んでから尋ねます。飲む前聞いてしまうと楽しみが減るという考え方ですね(聞いてからどんなお茶だろうと飲むのも楽しみではありますが)。人数の関係で全員が飲まれる前に尋ねることもありますが、その辺りは臨機応変にいたします。
お茶が点てば使った道具をしまっていき、最後に使った茶器や茶杓等を飾ってもらえることもあります。そして亭主の方から挨拶があって茶席は終了です。正客の場所に座っていたら他のお客さまに「ありがとうございました」と挨拶される場合もありますが、周りの様子を見て必要なさそうであれば特に不要です。座って挨拶を待ってられるようであれば、一言挨拶しておけば問題ありません。
さて退出ですが、立つときには十分に気をつけてください。怪我をしてしまうといけませんし、茶室や道具に傷をつけても大変です。ゆっくりあせらず確実に立ってください。茶席の柱や障子、襖等を支えにしてはいけません(華奢にできているので破損させる恐れがあります)。
なお途中で亭主の方から足を崩しても良いですよと言われたら、崩してもらっても結構です。ただお菓子を召し上がる時とお茶を飲むとき位は正座をした方が良いでしょうね。もちろんお怪我をされている等無理な理由がある場合は無理に正座する必要はありません。
なお茶席だけに関わらず寺社仏閣やお城等、伝統建築の建物を訪れる際女性の方はピンヒールの靴は避けましょう。足元が悪い場合が多いのもありますが、建物や庭園の保護という意味でも重要です。尖っていなくても木材や植物、庭石などの表面を傷つけることがあります。傘等も注意が必要です。またリュックや大きな荷物はぶつかって物を傷つけることもありますので持っていかない方が良いですが、持って行く場合は特に注意を払ってください。
大切な文化財を次の世代に良い状態で伝えていくことは今を生きる人達の責任だと思います。
これで簡単に茶席での作法をお伝えしましたが、これが全てという訳でもありませんし、必ずこうしないといけないという訳でもありません。文章では伝わりにくいこともたくさんありますので、ぜひ一度実際に体験されることをおススメします。
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今日は昨日の続きです。昨日の記事は文章ばかりで読みにくかったと思います。まあいつも読みにくい記事ばかりで申し訳ないのですが…
お菓子を食べる時ですが、当流ではお菓子を切る時には菓子きりを使いますが、食べる時は菓子きりで刺さずに手で食べます。この食べ方は他であまり見ることがありませんが、「刺す」ということを嫌ったのでしょう。当流でない方は気にせず刺して食べてもらって結構です。その方が手にベタベタがついたりしないので。
また基本的にお菓子はお茶が出される前に食べてしまいます。これも流派によってはそうされないところもありますが、ほとんどの流派ではお菓子を先に食べてしまいます。なお周りの方で全部お菓子を食べずに半分くらいを懐紙に包んで持って帰られる方も多いかもしれませんが、全部食べてしまって問題ありません。
いよいよお茶が手元に来たら(薄茶を想定しています)、

隣の方に「お先に」と挨拶して、右手で茶碗取り上げ左手に乗せ、右手も横に添えて持ちます。そしてそのまま少し両手を上げお茶に感謝します(「いただきます」だと思ってもらえれば良いでしょう)。そして茶碗を少し回します。当流では時計回りに2回程ですが、流派によっても違いますので自分のところに出された正面を少し避けられれば結構です。
そしてまず一口飲みます。一口飲んだら両手を膝まで下ろして良く味わってください。
正客であれば点前をされた方や亭主から「いかがですか?」とお尋ねがある時もありますので、感想を正直にお伝えください。ただ余り口に合わなかったからといって「まずいです」と言ってしまうともてなす側に恥をかかせてしまうので、何か良い部分を褒めてあげてください。また必ず「結構なお点前で」という方がいらっしゃいますが、別に必ずそう言わないといけないわけではありません。当流では「大変結構です」としか言わない場合もあります。
良く味わったら、後は自分のペースで飲んでください。当流では最初の一口も合わせて3口半の分量位をお出ししますが、飲む方は余り気にせずゆっくり召し上がっていただいたら結構です(最後に「わざとらしく」大きな音を立てて吸う方がいらっしゃいますが特に必要ありません。程ほどで結構です)。
飲み終わったら自分の口がついたところを、右手の親指と人差し指で軽くぬぐって茶碗を畳の上へおきます。茶碗をご覧になるのであれば、まず両手を畳について全体を見て、それから手にとってご覧になってください。その際お茶が茶碗の中に残っていることがあるので、裏返す時は下に懐紙を敷く等してください。またこの時くれぐれも茶碗を高い所まで上げないようにしてください(落とすと大変です)。両ひじと両膝とをつけると綺麗です。
ご覧になり終わると、茶碗を返しますが畳の縁の向うへ自分の飲んだ所を向こう側にして当流では返します(流派によって向き等が違います)。
文章だけで伝えるのは難しいですね。もう少し注意点等がありますので続きます。今日の夜にでも書ければと思います。
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今日は茶席に入った時の注意点などを書いてみようと思います。流派によっても作法が異なりますので、これが「正解」というものではありませんが参考にはしていただけると思います。
あらかじめ茶席に行くということが分かっている日は、香水や化粧品、整髪料などの匂いのきつい物は避けましょう。これは茶席ではお香が焚かれていることがあるのと、お茶の香りを楽しむ為です。
懐紙や菓子きりを持っていたら忘れずに。無い場合はその2つ位はお求めになる方が良いでしょう。どうしても手に入れられなかったら、隣の方に借りるか、ご案内の方にその旨お伝えして懐紙だけでもお借りされる方が良いと思います。また席に入る前に、時計や指輪等手や首周りのアクセサリー等を外します(これは茶碗等の道具に傷をつけないようにする為です)。
実際に茶席に入ったら、周りを見て他の方が掛け軸などをご覧になっていれば前に入った方に続いてご覧になってください。他の方がもうお座りになっていれば隣に座りましょう。前の方が誰もいらっしゃらなければ、案内の方や周りの方にどこに座れば良いか聞いてください。茶席では正客といって「メインゲスト」がいるのですが、現在の茶席では決まっていないことが多いので順番に上座から座ることもあります(流派によっても正客の座る場所が違うので難しいですが)。
お茶の経験が無い場合「作法を知りませんので」とでも言って正客の場所(上座)には座らない方が無難ですが、案内の方が「順番にお座りください」と言われればそのまま座ったら良いと思います。正客はその席を受け持っている先生(亭主または席主)とお話をするのですが、もし正客になった場合は初めの挨拶の時に「順番でと仰いましたので、上座に座らせていただきました。何も分かりませんがどうぞよろしくお願いします」とでも挨拶されれば上手く対応していただけるはずです。
この時不明なことがあれば質問されれば大抵は答えてもらえます(お菓子の召し上がり方やお茶の飲み方も)。それだけでは味気ないので、床の間に掛け軸やお花が飾ってあればそちらについて聞いてみましょう。例えば掛け軸の字が読めないなら何と書いてあって、誰が書いたのか?等聞いてみると、その掛け軸にされた理由など話していただけるかもしれません。
そのうちにお菓子が出てきますので(もっと前に出てくる場合もあります)、「お菓子をどうぞ」等の挨拶を亭主がされた後に取ります。その時、隣の人に「お先に」と挨拶してからお菓子を懐紙に取ります。お菓子を取れば、菓子きりなどで食べやすい大きさ(3つくらいでしょうか)に切って食べます(大人数の場合自分の分を取ればすぐに食べてもいいでしょう)。もし正客の方がお客さま全員の取られるのをお待ちであれば待ちます。
長くなるので今日はここまで。
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皆さんは茶道と聞くと「決まり事が多そう」とか「作法がうるさそう」と感じられることもあると思います。確かに決まり事は多いかもしれません。
しかしその決まり事や作法は流派によって違うことはご存じない方も結構いらっしゃいます。以前「帛紗について」でも書きましたが帛紗のつける位置が違ったり、お茶をいただく時の挨拶が違ったり、色々な違いがあります。
さらに同じ千家とはいえ、三千家でもそれぞれに違いがあります。
当流は多くの方の目に触れる機会が少なく、習われている方も少ないので、作法の違いを「間違い」と指摘されることも少なくありません。
このように指摘された時にどうお答えするかいつも悩んでしまいます。
「私たちはこのようにするので間違いではありません」
と否定してしまうと指摘した方に恥をかかせてしまいます。かといって、指摘されたとおりにすると「間違った作法でもてなされた」と感じる方が出てくる可能性もありますので、望ましくありません。
なので、その時の話の流れを見て上手く「訂正」しています。
皆さんもどこかで始めて見る点前や作法があった場合は「間違い」とすぐに考えず、他の違いなどにも注目していただければ幸いです。
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