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歳暮の茶会の花


寒い日が続きますね…こう寒いと冬眠したくなりますが、そうも言ってられません。私は恐らくそうではないと思いますが、冬は日照時間が短くなることもあり、鬱々とした気分になりやすいと聞きました。

実際、当教室に通ってられる方の中にも、「なんかやる気が出ない」と仰っている方がいらっしゃいました。そこで私なりの良い方法をお伝えしたらちょっと元気が出たとのことでした。一安心といったところですが、皆様もどうぞお気を付けを。

さて、随分ご紹介が遅くなってしまいましたが、大晦日に茶会をしましたのでその際の様子などを書いてみようと思います。大晦日と言えば「除夜の鐘」ということで、大晦日にする茶会を「除夜釜」などと表現することもありますが、今回は昼の茶会でした。

また、大晦日の夜から元旦にかけて炉の中の炭に灰をかけておき、それを翌朝の種火とする埋火という行事をされるところもあります(もっとも本来は大晦日に限りませんが)。今の感覚だと「そんな火事になったりするかもしれないから危険では?」と思われるかと思いますが、ガスコンロやましてやIHなんてなかった時代には火をおこすのは大変だったことと思います。

そこで翌日の種火を大事に、火事にならないよう工夫して、取っておくことが重要だったのでしょう。今は簡単に火がつけられますし、火事のことを考えるとなかなか難しいことと言えると思います。「大晦日だけでも」と残されるところもありますが、当流では現在はしておりません。いつかすることもあるかもしれませんが、やはり火事のことを考えると怖いですね。

さて、話が逸れてしまいましたが、今回はこんな花を入れてみました。
花17
乙女椿です。この写真は茶会を終えてから撮ったので、暗くなってしまった為電気をつけて撮影していますが、灯りが異なると随分雰囲気も変わってしまいますね…

花ももう少し閉じていたのですが、随分開いてきています。現在では椿は茶席において「つぼみの状態」で入れることが多いですが、古くはそうでなかったという説もあります。この辺りはなかなか分かりませんね。

花入は何度か登場しております、昨年のお正月に作りました一重切です。一年の締めくくりにと思って使いましたが、最初の青竹のころとは随分雰囲気が変わりました。青竹と油抜きした竹(白竹などと言います)とは当然色が違うので雰囲気が変わりますが、もう少し違うような気もします。上手く言えませんが…

花12
入れている花が違うので印象が変わりますが、青竹の頃はこんな感じでした。上の輪の部分を見ると少し色が変わってきているので、切ってから少し時間は経っています。

今年もいくつか花入を作りましたので、またの機会にご紹介できればと思います。



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今日の花(シュウカイドウ)


今日の夜から近畿地方では随分と涼しくなってくれるそうです。昨日の夜は暑く、寝苦しかったのですが、明け方には随分涼しくなっておりました。また秋の虫も盛んに鳴いておりますので、秋の風情を感じるこの頃です。

そんな今日は少し秋らしい花をご紹介しようと思います。
花14
相変わらず写真が悪く、何の花か分かりにくいですが、秋海棠(シュウカイドウ)です。実は今回初めて知ったのですが、シュウカイドウの花は雄花と雌花の形が随分と異なるようです。

上の写真で咲いている(といってもほとんど見えておりませんが…)のは雄花です。雌花は四枚の花弁(実はそのうち二枚はがくです)の可愛らしい花が咲き、シュウカイドウの花といえばこちらを思い浮かべる方が多いかと思います。

実はこの写真では分かりませんが、ある「遊び」がこの花には隠されています。
花15
これでお分かりになりますね。実は葉っぱの裏にセミの抜け殻がついていたんですね。この写真では分かりませんが(そればかり書いていますね)、もう一匹別の葉の裏にも隠れていました。

普通なら外してしまうことが多いとは思いますが、たまにはこういう試みも良いかと思います。今回は偶然そういう葉があったのでできましたが、わざわざつけるとそれはやりすぎな感じがしますね。そういう意味では2匹も多いと思う方もいらっしゃると思いますが、見えにくい位置なのと1匹でも気が付かれない場合もありますので、許容範囲ということにしておいてください。

実際、こちらからお伝えしないと気がつかれない方もいらっしゃいました。本来、当流では花は見上げるように拝見するのでその通り見ていれば分かるのですが、床の拝見の仕方まではまだ教えていない方でしたので仕方ありません。

そういえば、セミの抜け殻で思い出しましたが、今年の「夏休み子ども科学電話相談」で「セミの抜け殻は食べられますか?」と質問していた女の子がいましたね。彼女はその後実際に食べてみたんだろうか?

明日までの放送ですが、夏休み子ども科学電話相談はおすすめです。Twitterで存在を知ったのですが、大変面白く勉強になる内容で楽しんでおりました。リアルタイムでは聞けないことがほとんどですが、インターネット上で聞き逃し配信をされていますのでそちらで専ら聞いております。

内容があっちに行ったり、こっちに行ったりの記事になってしまいましたので、この辺りで。



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初釜の花


お正月休みも終わり(そんなもの無かったよ!と仰る方もあるかもしれませんが…)、そろそろ普段の生活の感覚を取り戻された方が多いと思いますが、私はなかなか取り戻すことができません。なんとか早く取り戻せるようにしたいです。

さて、今日は先日の初釜の際の花をご紹介しようと思います。
花11
花も写真も思い通りにいかなかったのですが、こんな感じに今年はなりました。花は普段お世話になっている東京の道具屋さんが年末に送ってくださった越前水仙で、花入は自作です。

この花入の切り方は「輪無二重切(わなしにじゅうぎり)」と言い、遠州流でよく見られる形です。なお、この形は、遠州公の元にある茶人が二重切の花入を持ち込み、「少し破損してしまったので、なんとか良くしてもらえますか?」と頼んだところ、遠州公は上の輪の部分を切り取り、その花入を「復活」させたことに始まると言われています。

なお、その花入は「再来」という銘がつけられ、現在根津美術館の所蔵となっています。

今回の花入は去年のものに比べると少しはマシになったかと思いますが、やはりまだまだ納得はできません。ちなみに去年はこんな感じの出来でした。
椿5

まだもう一本竹を残してあるので、また頑張って作ってみようと思います。そちらはどんな形にしようかまだ決まっていません。もう一度竹をよく見て考えようと思っています。




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先日の研究会の花


すっかり更新が滞ってしまいましたね…このところバタバタしており、先日の茶事の会記をきちんと書くこともできていないような状況です。早くなんとかしないといけませんね。

さて今日は先日の当流の師範者研究会の際の花をご紹介しようと思います。
花9
下手な写真なので分かりにくいですが、夏椿です。夏椿は日本では沙羅とも言われますが、お釈迦さまが亡くなられた際に咲いていたとされる沙羅の木(沙羅双樹として有名ですね)とは別の植物です。

夏椿は名前の通りツバキ科だそうですが、葉っぱなどは柔らかく、秋から春にかけて咲く椿とは随分雰囲気が異なるように私は思います。

なお、私の知り合いの植木屋さんによると、夏椿は地面に落ちた花を楽しむのが風流ということでしたのでこのようにもしてみました。
花10
この花を見ると確かにツバキ科というのもうなずけますね。本当はこの花を中心に考えていたのですが、気温が高かったせいかご覧の通り、すごく開いてくれました。

そうすると席では難しいので、咲いている花を取って入れたのですが、もったいなかったのでこのようなこともしてみました。茶花として考えると、現在では余りこのようなことをされることはないかと思いますが、宗旦の妙蓮寺椿の逸話などにも見られるように、昔はこのような楽しみ方もしばしばされたことと思います。

蛇足ながら、御存知の方も多いと思いますが、宗旦の妙蓮寺椿の逸話をご紹介しましょう。あるお寺の和尚が庭に咲いた妙蓮寺椿を小僧に命じて千宗旦に届けさせたのですが、届ける途中に花が落ちてしまいました。小僧はどうしようと途方にくれますが、椿の枝と落ちてしまった花を持参し宗旦に詫びます。

それを聞いた宗旦は「わざわざありがとう」と言って、小僧を茶席に招き入れます。そして、花入に花の落ちた枝を入れ、その下に落ちてしまった花を置き、茶を点ててあげたというような話です。

今回の花に話を戻しますと、本当はこの花入を壁に掛けたかったのですが、床の間の大きさや花入の大きさで断念しました。ちなみにこの花入は今年作ったもので、以前ご紹介した
椿5
この花入を油抜きしたものです。

色が変わるとガラッと雰囲気が変わりますね。これは今年初めて作った試作品ですが、来年以降にまた工夫して作っていければと思っています。花入も作りたいですが、茶杓も作らないといけませんね…上手く時間をやりくりしないと!





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床の花(椿)


各地で桜の開花宣言が発表されていますが、今日は随分と寒い日でしたね。この寒さで桜の開花も少し足踏みといったところでしょうか?

桜はもうすぐ「咲く」花ですが、そろそろ「終わり」の花を今日はご紹介しようと思います。
椿5
椿ですね。「木へん」に「春」と書いて椿ですが、お茶では多くの流派において「炉」の時期の花として使われます。何か理由があって風炉の時期に入れる(生ける)こともありますが、基本的には11月から4月末までに入れられます。

ただ、人によっては4月ではもう遅いとか、3月でも遅いと言われることもあるかもしれません。この辺りは地域によっても変わるでしょうし、流派によっても変わるかと思います。さらには、その人の力量などで変えることもあるでしょう。

自信のある人は自由にできますが、「まだちょっと自分には…」と思う方は「教科書通り」にした方が不快な思いはされないかと思います。私の場合、椿は炉の時期に入れますが、籠の花入(現在では風炉の時期に使われることがほとんど)は場合によっては炉の時期にも使います。

また椿などの場合、葉っぱの数も奇数にすることが多いですが、勿論自然のものですから、奇数にしようと努力してもならないこともあります。そういった場合はこの写真のように偶数にすることもあります。この辺りは全体の雰囲気をみて決めれば良いと思います。

この辺りのさじ加減というのはなかなか難しいものですが、色々と工夫してみて最終的に自分にあったやり方をみつけていくしかありませんね。

なお、蛇足になりますが、この花入は私の試作品です。本当はもう一本節が入るように作りたいのですが、なかなか良い竹がみつかりません。とはいえ、良い竹がみつかっても作る技量が無ければせっかくの竹を無駄にしてしまいます。

なので、太さなどの条件を満たす竹でまずは作ってみようと思いましたが、厚みのある竹を切るのは一苦労でした。次に秋から冬にかけて竹を切った際にはもう少し上手にできると良いのですが…





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ボケの実


気が付けばもう10月になってしまいましたね。昨日着物を着る機会があり前日に準備しておいたのですが、10月ということをすっかり忘れて単衣の着物を用意しておりました。当日の朝慌てたのは言うまでもありません。

さて今日は先日ご紹介した花(実)の補足を。どんな花だったかというと
花7
こんな花でしたね。

この実はボケの実というのは前回書かせていただきましたが、手元の本で調べてみると
「ときおり、長さ10cmくらいの卵形のかたい実が枝につく」
とあります。

色別 茶花・山草770種―12色・開花月順

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(結構調べやすい本で重宝しています)

「ときおり」ということは実ができないこともあるということでしょうから、見たことが無いという方がいてもおかしくないですね。なおボケの実は、生で食べるのには不向きということですが、漢方薬の原料となったり果実酒・ジャムにしたりもするそうです。
木瓜2


今回は食べるということは考えませんでしたが、中を見てみようと思い、切ってみました
木瓜3
切るとこんな様子でした。結構固い実ではありましたが、包丁で切れました。白くなっている部分がハートの形のようにも見えますね。手触りや外観からもっと乾燥した実なのだと思っていましたが、切ってみると結構みずみずしい実でした。

身近な植物でも知らないことはたくさんありますね。




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入れた花に見る個性の違い


先日夜中に巨大な蜘蛛が現れたので、外に出そうとして格闘していたら寝るのが遅くなってしまい、昼夜逆転の生活になってしまいました。なんかガサガサ音がすると思って起きたら、13センチくらいの大きさの蜘蛛が…しかも模様もなんだかすごい様子で驚きました。

さて今日は先日の師範者研究会の際の花をご紹介しようと思います。
花7
こちらは私が入れた花です(茶席の花の場合「入れる」と表現することが多いです)。ボケの実(左)とシュウカイドウ(右)なのですが、ボケにこんな実がなるとご存知無かった方も多かったようです。当家のボケはこのように結構大きな実がなります。庭の日当たりの良い場所のは実がなるのですが、余り日が当たらない場所のは実がならないようです。

以前も書いたように思いますが、茶席では現在余り実を入れません。しかし、お正月の万年青(お正月に限るという訳ではありませんが)など、古来より実を入れることもあります。織部が麦の穂を入れたという逸話も残っているように、その時の作意によっては規則に囚われず入れることも大事です。

花8
なおこちらは翌日母が同じ花材で入れなおしたものです。写真だとちょっと分かりにくいですが、微妙な差がありますね。今回はそこまで大きな違いになりませんでしたが、同じ花材、同じ花入でも入れる人が違うと全く違う花になることがあります。

このように花というのはその人の「人となり」を現すものと言えるかと思います。なので茶席では非常に重要な位置を占めるのですが、最近は「とりあえず入れておきました」と見えるような花を見ることもあります。

私は中途半端になるのであれば、花は無しにしても良いと思います。昔と違って野山やその辺りに生えている植物を勝手に持っていくということもできませんし、花屋さんでも和花を置いているお店が少なくなりました。そうするとなかなか良い花が見つからないこともあります。

それでも上手な方は何かしらの方法で手に入れられるのでしょうが、どうしようも無い時もあります。そんなときに「良い花は無いけど、まあとりあえず…」と入れるのなら、絵を懸けるとか別の方法を探すことも必要かと思います。




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小間の花(ミズヒキ草)


今日は七夕ですね。生憎の雨なので、織姫と彦星はカササギの橋を渡って会っているのでしょうか?まあ本来は旧暦の7月7日なので、今年は8月20日が旧暦の七夕となります。その頃だと晴れの日も多いですから、大丈夫でしょう。

さて、今日は久しぶりに床の間の花をご紹介します。
花5
小さい花なので、写真では分かりにくいですね…上の方に伸びているのが表題にもありますようにミズヒキ草です。かすかに紅白の小さな花が見えるかと思います。下の方の白っぽい花はムラサキシキブです。

暑い日が続いておりますので、少し涼しげに見えるように入れてもらいました。この花入は壁にかける金具がついているのですが、何分古いもので重さに耐えられるかちょっと心配です。なので今回は床に飾りました。

実は足の部分も傷みが激しかったのですが、大工さんに直していただきました。当家の門などを直していただいた大工さんは寺社仏閣が専門の大工さんなのですが、本当に色々とお世話になっています。器用な方達で、こういった修理も引き受けてくださいました。

先日来ていただいた植木屋さん(お茶での知り合いです)にしろ、普段お願いしている植木屋さん、大工さん、瓦屋さんなど色々な方に助けていただき、快適に生活させていただいています。良い職人さんにめぐり合えてありがたいことです。

少し話が逸れましたね。この花入に話を戻しますと、写真ではそんなに小さく見えませんが、結構小さい花入です。なので本当は壁にかけたかったのですが、仕方ありません。もう少し幅の狭い床の間だと下に置いても違和感が無いと思います。

このあたりは部屋の雰囲気などでも変わりますから、その部屋に応じた器を選択することも大事ですね。とは言ってもなかなかそんなにたくさんの花入がある訳ではありませんので、上手に使うことも必要です。



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先日の茶事(花)


昨日の京都は晴れて暑くなりましたが、今日も朝から晴れてもう暑くなってきています。明日の夜くらいから雨が降るそうですので、今のうちに庭掃除をしておこうと思います。

さて先日から続いております茶事シリーズですが、今日は花をご紹介しようと思います。
花4
姫檜扇(ヒメヒオウギ)と千両(左側)です(この写真は後日新しい花に変えて撮り直したものです)。大体同じような雰囲気にはなってくれましたが、当日はもう少し千両が左を向いていたように思います。

千両はよくお正月などに実を生けているのをご覧になることがあると思います。しかし、実は見たことがあっても花は知らないという方も結構いらっしゃるのでは無いでしょうか?かく言う私もその一人で、今回の花は母の着想によるものです。

昔から植物に余り興味の無かった私は今も花を入れるのが苦手です。最近はそんなことも言ってられないので少しは入れるようにしておりますが、まだまだ母には敵いません。今回は朝の内に母が予め選んで花入に入れておいてくれたものを私が直すという方法を採りました。

なおこの花入は窓がそう大きくなく、また水が溜まる部分が非常に浅いので、花を留めるのが大変です。今回は千両の茎を結んでおいて、その輪の中へ姫檜扇を入れて留めておりました。そういった機転を利かすのは上手にしてくれるので大変助かります。

これまで母と私は役割分担をしてお互い切磋琢磨してきました。私は点前や茶道に関わる知識・故実などを担当し、母は花、書、能などの茶道と密接な関係にある日本文化を担当しておりました。得意分野が元から違っていたので助かりましたが、こうすることで一人だけでは得られない知識を得ることができたと思います。

お互い言いたいことをはっきり言う性格なので、母の入れた花を私が酷評することもありますし、私の取り合わせをボロカスに言われることもよくあります。そうしたことから私達の会話を初めて聞いた人は親子だと思われないこともあるようです。

実際、母が私のことをどう思っているのかは知りませんが、私は「母親」というより「戦友」という風に言うのが一番しっくりくるかもしれません。将来私に子供がいたら、自分もそのように子供に思ってもらえると良いなと思います。

ちょっと話が逸れましたが、次回はお待ちかね(?)の食事についてご紹介しようと思います。もしかすると途中全く関係ない話を挟むかもしれませんが…




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床の花(カキツバタ)


今日の京都は元々雨の予報ではなかったのですが、一時強い雨が降ったところもあるようです。当家の辺りではそんなに降らなかったようですが、明日はまとまった雨が降ってくれそうですね。

さて今日は久しぶりに床の花のご紹介を(私が生けたのではなく、母が生けたのですが…)。
カキツバタ1
この花はカキツバタです。このような花を見て、カキツバタかアヤメかハナショウブか?というのを見分けるのはなかなか大変です。

古くからの見分け方というのは一応ありますが、最近では品種改良や海外の品種なども入ってきていることから花屋さんでも見分けるのは難しいそうです。

お茶の時はほんの少ししか花を生けない流派もあるようですが、当流ではその部屋に応じてたくさん生けることもあります。広い床の間にちょっとだけというのもなかなか格好が付かないですからね。

また広間の場合、絵と花を同時に床に飾る場合もあります。床飾りの最も古い解説書の一つである「君台観左右帳記(くんだいかんそうちょうき)」には、3幅対の掛け軸の前に立花2瓶を飾っている図も記されています。

しかし、現代の茶席においてそのような飾りをするとかなり大層になるので、通常はそこまですることはありません。実際の茶会でそのような飾りつけを拝見したのは、私は3回程しかありません。

当流ではそこまで大層にせずに、1幅の掛け軸の前に花を飾るということもしております。ただ、絵と花の取り合わせが難しいので、現在では余りすることはありません。また、そういった飾り方をすると他の流派の方から、「そんなことはしません!」と怒られてしまったこともあります。

怒られるということはそうありませんでしたが、「私たちは○○しますが、お宅はされないんですか?」と詰問調で尋ねられることは間々ありました。ただ、最近は山荘の公開の呈茶席では私が亭主として出るからか、そういったことはほとんどありません。

そんなに私は怖そうな雰囲気を醸し出しているのでしょうか?もしくは太って貫禄が付いてしまったのでしょうか?まあ男性には面と向かっては言いにくいということにしておきましょう(笑)




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小間の花(シュウメイギク)


今日は昨日の「床飾り」の記事の花をご紹介させていただきます。

シュウメイギク
シュウメイギクです。一般的に茶花としてよくご覧になるのは白い花の方かもしれません。写真では紫のように見える赤い花もシュウメイギクで、元々はこちらの色が一般的だったようです。白い花は品種改良などでできた花とのこと。

どちらの色の花も長く伸びた茎の上に花をつけるのが特徴的です。品種改良して花の形や色が変わっても、そこは変わらなかったのですね。

なおシュウメイギクは別名貴船菊とも言われるようで、京都の貴船でよく見られたからその名前がついたとも言われています。貴船では今もたくさん咲いているのでしょうか?一度見に行ってみないといけませんね。



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小間の花(シュウカイドウ2)


今日は先日の小間の花をご紹介します。と言っても先日ご紹介した花と同じ種類の花ですが…
今の時期はちょうど当家の庭に花がほとんどありません。木槿は今年植えたところなので、花が少なくもう終わってしまいました。こういった時は中々困りますね。時期にあった絵などがあれば良いのですが…

さて本題の花はこのような感じです。
シュウカイドウ2
先日のものとは違う花入に入れ、今回は壁にかけてみました。
花の量が少ないので、こちらの花入の方が合っていたかもしれませんね。なお写真では見えにくいですが、備前の花入で幼稚園の創立30(?)周年記念でもらったとのことです。そんな記念品があったのですね…

もう少しすると庭の花も色々と咲いてくれるのですが、それまでが大変ですね。来年までに何か方法を考えないといけません。
こういったときに当流の流祖の高谷宗範の書をかけられると良いのですが、宗範は儒学者の家に産まれておりますので、残っている書は漢字のものばかりで長いものがほとんどです。一部短いものもありますが、かける季節を選ぶ漢詩ですので困ります。仮名も得意の人だったら良かったのですが…




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小間の花(シュウカイドウ)


今日は終戦記念日ですね。戦争はお茶の家元も関係なく巻き込み、シベリア抑留を経験された方や特攻隊にいた方もいらっしゃいますね。私の祖父は戦死することはありませんでしたが、面識のある母方の祖父(父方の祖父は私の生まれる前に亡くなっています)は兵隊の頃に足を骨折して正座ができなくなった為に、その後お茶をすることはありませんでした。
人の一生をめちゃくちゃにする戦争というものがこの地球上から無くなることを祈るばかりです。

さて今日は先日小間に生けた花です。
シュウカイドウ
シュウカイドウと矢筈ススキです。このような花を見るとやはり秋の近づきを感じることができますね。

花というのは人の心に希望を与えてくれることもあります。冒頭で触れたシベリア抑留を経験された先代の遠州流家元の故小堀宗慶氏は、シベリアで見た一輪の花に力づけられながら生き延びられたと述べていらっしゃいます。宗慶氏は生前、茶花の名手として知られていましたが、シベリアでの体験を経て得たものが生ける花の姿にも現れていたのかもしれません。



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今日の花(キキョウ)


今日は先日の小間の花をご紹介したいと思います。
桔梗4
先日、当家の庭で咲いている桔梗(キキョウ)をご紹介させていただきましたが、今回はその桔梗を使いました。白い花が清楚で涼しげで今の季節によく合っていると思います。
左の方に見えているのは、こちらも以前紹介した当家の突抜忍冬(つきぬきにんどう)の実です。こんな実がなるとは全く知りませんでした。草花には最近になるまでほとんど興味を抱きませんでしたが、今年に入り色々と気になるようになりました。そういったこともボツボツと覚えていきたいですね。

以前も書いたかもしれませんが、茶席には余り実を生けません。しかし、たまにはこういったものがあっても楽しいなと思います。規則に囚われ過ぎてはお茶はできません。かといって「何でもあり」という訳でもありません。この辺りの線引きが難しいところですね。故実を基に色々と挑戦してみることが大事だと思います。



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今日の花(センリョウ)


今日は先日生けて紹介し忘れた花を。
センリョウ
ちょっと見えづらいですが、仙蓼(センリョウ 千両とも)と矢筈(ヤハズ)ススキです。矢筈ススキは矢羽ススキ、虎斑ススキなどいくつか別名があるようですが、よく聞くのは矢筈ススキだと思います。
この写真ではほとんど見えておりませんが、センリョウは花が咲いています。黄色い花が幾つも付くのですが、ちょっと見えませんね。よくご覧になるのは、冬になる赤い実ですね。この時期に花が咲き、10月頃から実が赤くなり始めます。実になるまで随分時間がかかりますね。「大器晩成」型なのかもしれません。

この日は随分暗かったので電灯をつけて写真を撮りました。今の生活に慣れるとつい昼間でも電灯をつけてしまいますが、茶道が成立した頃は電灯なんかありませんでしたので、昼間は照明器具なしの方が良いと思います。特に茶室は「八窓席」や「六窓席」などと呼ばれる席があるように、採光に工夫が凝らされているところも数多くあります。

少し暗い中で見る道具はまた違った趣きを見せてくれます。しかし、写真を撮る時にはちょっと暗すぎました…
本を読んだり、字を書いたりする時は明るい方が目に負担がかからないのでしょうが、そうでない時は自然の光を大事にして生活してみるのも良いかもしれませんね。



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プロフィール

山荘流茶道教室

Author:山荘流茶道教室
京都市東山区にて山荘流の茶道教室を開講しております。
静かな環境で非日常を楽しめる教室を目指しています。

初心者の方から丁寧にお教えいたします。もちろん他の流派を習っていた方やブランクのある方も大歓迎です。

ご興味を持たれた方や習ってみたいなと思われた方は、どうぞ気軽にメールフォームからご連絡ください。

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