茶の湯展の感想(茶碗・茶入編)
気が付けば8月になり、しかも立秋も過ぎてしまいました。今年に入って随分と慌ただしい日が続きなかなかブログが更新できておりません。まあ、時間があっても必ず更新できるわけではないのですが…
さて、今日は随分間が空いてしまいましたが、茶の湯展の感想の続きを書いてみようと思います。前回は書画編ということでしたが、今回は茶碗・茶入についての感想です。
今回の展覧会では私が数えた限りでは茶碗では国宝が4点(稲葉天目・油滴天目・喜左衛門・卯花墻)、重要文化財21点、茶入では重要文化財が5点(初花肩衝・北野肩衝・松屋肩衝・富士茄子・在中庵)という顔ぶれでした(数え間違いがあるかもしれませんが…)。
それだけ有名な道具が多かったので、当然これまでに見たことのあるものも多かったのですが、中には今回初めて拝見するものや、以前見た時と随分印象が異なるものもありました。その中で印象に残っているものをいくつか書いていこうと思います。
まずは、やはり稲葉天目でしょうか。静嘉堂文庫の所蔵の曜変天目で、国宝にも指定されている大変有名な茶碗です。実は今回が初めての拝見で、これでようやく国宝の曜変天目3つの全てを拝見することができました。
最近では龍光院のものが一般的に見られる機会が一番少ないように思いますが、ありがたいことに私は高校生の頃に京都国立博物館であった「日本人と茶」という展覧会で拝見する機会がありました。
他に初めて拝見した茶碗としては蕎麦茶碗「花曇」、ととや茶碗「廣島」、「古田高麗」、「千種伊羅保」、釘彫伊羅保茶碗「秋の山」などで、それぞれに大変印象に残っております。
蕎麦茶碗はこれまでに畠山記念館で「蛍」、香雪美術館で「色替」などを拝見いたしましたが、この茶碗も非常に見どころのある綺麗な茶碗でした。この暑い時期に使ってみたいなと思わせるような茶碗だったことを今でもよく覚えています。
ととや茶碗は藤田美術館で「利休ととや」、今回の展示でも出ていましたが三井記念美術館の「かすみ」が印象的でしたが、こちらは赤味がかったまた雰囲気の異なる茶碗でした。こちらの「廣島」は平ととやの代表的な茶碗として有名ですが、現在は個人蔵なのでそうお目にかかる機会があるわけではありませんので、貴重な経験でした。
また、小井戸茶碗「六地蔵」はこれまでに何度か拝見しているはずなのですが(これまではそれほど印象に残らなかったのですが)、今回は非常に良い茶碗に見えました。美術館によって照明の具合も違いますし、何よりも見る側の体調や「目」(実際に感じるのは脳でしょうが)が変わっているということもあるかと思います。
「六地蔵」は遠州公が六地蔵で見出したからこの名が付いたと言われていますが、その遠州公も昔見た余り気に入らなかった茶入が後年見た際には大変良く見えたという逸話が残っています。
人間の好みというのははっきりしてそうで、案外あやふやなものなのかもしれませんね。

こちらは常設展で拝見したインド更紗です。この写真の上の方の金がキラキラしているのが見えるかと思いますが、金糸が使われているそうです。なお、更紗は茶道具の箱を包む風呂敷などに使われることもあります。
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