師範者研究会へ(後炭)
今日の朝は寒かったですね。そのせいか今日はちょっと体調が思わしくありませんでした。自分ではそんなに感じていなかったのですが、「今日は元気がないですね。いつもと違う」と言われてしまいました。しっかりしないといけませんね。
そんな今日は当流の師範者研究会だったのですが、今回は「後炭」をしました。当流ではこう書いて「のちずみ」と読みますが、「ごずみ」と読む流派もあるようです。確か、裏千家さんでは「ごずみ」と読んでられるように思っていますが、違ったかもしれません。
この点前は遠州流系統の流派では、実用的な意味合いを持った点前というよりも、精神的な意味合いを持った点前と言えるかと思います。というのも、この炭点前をして釜の煮えの音を聞いてもらった後、別室で薄茶を飲むからです。
つまり、お茶事において小間にて炭点前や食事を終えて、濃茶を飲み、広間にて薄茶をという際に行う炭点前なのです。そうすると、この炭は「無駄になるようだが、再開を期してする炭である」といった旨の説明が当流に伝わる古書に見えておりますが、現代の感覚ではなかなか理解し難いですね。
昔は遠州公の「書き捨ての文」にもありますように、「釜の煮音たゆることなかれ」ということが茶人の常だったのかもしれませんが、現代では常に火がついていると火事も心配ですからほとんどのお家でそのようにされていることは無いかと思います。
茶家においても、365日炉や風炉に常に炭がくべてあり、お湯がいつでも沸いているというところは少ないかと思います。今では蛇口をひねれば(最近はひねる蛇口も少なくなったかもしれませんね)お湯が出て、さらにコンロに火をつけるのも一瞬です。
また、すぐにお湯の沸く電気ポットもあるような時代ですから、いつもお湯を沸かしておかないと急にお客様が来られてもお茶が出せないというようなことはありません。しかし、お湯を沸かすのにもある程度時間がかかるような状況であれば、そのような心構えを記す意味も現代とはまた違った意味になるのでは?と思います。
上手く説明できませんが、「次にあなたが来られるまでお湯を沸かして(釜の煮音を絶やさずに)待っていますよ」といった気持ちがあるのだろうと思います。
また、濃茶が済む頃には炭の火の勢いも衰え、釜の音も静かになってくることがあります。それで部屋を移るのはどこか物悲しい気分がするということもあるのでしょう。火の勢いも戻り、釜の音がまた聞こえてくるというのは「めでたいこと」であったのかもしれません。
なので、挨拶の中に「それではめでたくさせていただきます」という文句が出てきます。何となくは想像できますが、この辺りは現代人にはなかなか実感しづらいものかもしれませんね。
説明が長々となってしまいましたが、今回の炉の中の様子はこんな感じでした。

明るくするとこんな感じです(少し時間が経ってからなので、だいぶ燃えてしまっていますが)。

普通の炭の場合はこんな感じですが、違いが分かっていただけますでしょうか。

並べ方や使う炭も変わりますので、なかなか難しい点前と言えるかと思います。
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