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師範者研究会へ(後炭)


今日の朝は寒かったですね。そのせいか今日はちょっと体調が思わしくありませんでした。自分ではそんなに感じていなかったのですが、「今日は元気がないですね。いつもと違う」と言われてしまいました。しっかりしないといけませんね。

そんな今日は当流の師範者研究会だったのですが、今回は「後炭」をしました。当流ではこう書いて「のちずみ」と読みますが、「ごずみ」と読む流派もあるようです。確か、裏千家さんでは「ごずみ」と読んでられるように思っていますが、違ったかもしれません。

この点前は遠州流系統の流派では、実用的な意味合いを持った点前というよりも、精神的な意味合いを持った点前と言えるかと思います。というのも、この炭点前をして釜の煮えの音を聞いてもらった後、別室で薄茶を飲むからです。

つまり、お茶事において小間にて炭点前や食事を終えて、濃茶を飲み、広間にて薄茶をという際に行う炭点前なのです。そうすると、この炭は「無駄になるようだが、再開を期してする炭である」といった旨の説明が当流に伝わる古書に見えておりますが、現代の感覚ではなかなか理解し難いですね。

昔は遠州公の「書き捨ての文」にもありますように、「釜の煮音たゆることなかれ」ということが茶人の常だったのかもしれませんが、現代では常に火がついていると火事も心配ですからほとんどのお家でそのようにされていることは無いかと思います。

茶家においても、365日炉や風炉に常に炭がくべてあり、お湯がいつでも沸いているというところは少ないかと思います。今では蛇口をひねれば(最近はひねる蛇口も少なくなったかもしれませんね)お湯が出て、さらにコンロに火をつけるのも一瞬です。

また、すぐにお湯の沸く電気ポットもあるような時代ですから、いつもお湯を沸かしておかないと急にお客様が来られてもお茶が出せないというようなことはありません。しかし、お湯を沸かすのにもある程度時間がかかるような状況であれば、そのような心構えを記す意味も現代とはまた違った意味になるのでは?と思います。

上手く説明できませんが、「次にあなたが来られるまでお湯を沸かして(釜の煮音を絶やさずに)待っていますよ」といった気持ちがあるのだろうと思います。

また、濃茶が済む頃には炭の火の勢いも衰え、釜の音も静かになってくることがあります。それで部屋を移るのはどこか物悲しい気分がするということもあるのでしょう。火の勢いも戻り、釜の音がまた聞こえてくるというのは「めでたいこと」であったのかもしれません。

なので、挨拶の中に「それではめでたくさせていただきます」という文句が出てきます。何となくは想像できますが、この辺りは現代人にはなかなか実感しづらいものかもしれませんね。

説明が長々となってしまいましたが、今回の炉の中の様子はこんな感じでした。
炭22

明るくするとこんな感じです(少し時間が経ってからなので、だいぶ燃えてしまっていますが)。
炭23

普通の炭の場合はこんな感じですが、違いが分かっていただけますでしょうか。
炭17
並べ方や使う炭も変わりますので、なかなか難しい点前と言えるかと思います。


当教室ではただいま新生活スタートキャンペーンを実施中です。皆様もこの機会に茶道を始めてみては如何でしょうか?
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右勝手の稽古


今日鏡を見てふと気がついたのですが、頭に白い髪が数本…この頃色々と不安なことやストレスがあったからでしょうか…母は60歳を超えておりますが、白髪はほとんどありません。なので、私もそんなに生えないだろうと信じているのですが、ちょっと心配ですね。
まあ男性の場合は、頭髪ではもう一つ重大なことがありますが、そこは大丈夫と信じておきましょう。

さて、話はガラッと変わりますが、先日の当教室のお稽古では右勝手の点前をしました。右勝手については以前少し書かせていただきましたのでそちらをご覧ください

右勝手3
偶然ですが、以前と風炉と水指が同じです。まあ、風炉の時期は鐶の扱いを覚える為にほとんどこの風炉ばかりを使いますが…

当流のこの点前では、左手を使う機会が多い為、「左利きの人はやりやすいでしょう?」と言われたことがありますが、個人的には全くそうは思いません。むしろ、非常にやりにくい点前だと思います。

なぜかと言いますと、「左手を使わないように」と意識しているところに急に左手を使うとなると、全ての扱いを左手でしてしまいそうになるからです。この写真をご覧いただていても分かるように柄杓は右手で扱っていますし、茶筅なども右手で扱います。

しかし、茶碗を取ったり置いたりする際に左手を使うことが多くなるので、右手を出さないといけない場面で左手が出そうになって困ります。もっとも、少し慣れればスラスラと手も動くのですが、最初は少し戸惑いますね。

もっとも、この点前を人前ですることはほとんどないでしょうから、そこまで必死になって覚える必要はありません。とはいえ、私は一度茶会でこの点前をしたことがありますので、絶対にすることがないとまでは言えません。

まあ、自分の覚え(ノートなど)を見ればできるくらいで十分だと思います。慣れれば順番が変わるわけでもなく、特殊な扱いをしないといけない道具も無いので楽な点前と言えるかもしれません。むしろ、そう思い込んでしまうのが良い方法かもしれませんね。

先日書いた遠州公の茶会記の記事に想像以上の反響がありました。書くことが無い!と安易に飛びついたのですが、次を書くことを考えると、自分で自分の首を絞めてしまったなと思います。

しかし、読んでくださる方があるということは、大変ありがたいことですからなんとか頑張ろうと思います!




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続・手指の稽古


このところ湿気がすごいことになっていますね。当家の玄関は土間になっているのですが、湿度が高いとじんわりと濡れたようになります。それがずっと続くので革靴などはカビが心配です。

さて今日は先日ご紹介した手指の稽古の続きです。
手6
日常生活において手指をこのように使うことというのは余りないかと思います。個人的には余り苦労はしませんでしたが、非常に苦労される方もいらっしゃいます。

そこで、そういった方には以下のような方法で訓練することをお勧めしています。
手8
これは天目を持つ際に必要になる手の形です。柄杓と蓋置を持つ際にもこの指の使い方が必要になりますね。

手10
これは水指を持つ時にする手の形ですね。実際には親指も人差し指にくっつけます。

他にも
手9
こんな形や
手11
こんな形などがありますが、これらは具体的にする機会は無いように思いますが、指を自由に動かせるようになった方が良いので、こういった形も取り入れています。

これらの指の形を右手ならば左手の助けを借りずに、左手ならば右手の助けを借りずにすることができるように訓練します。私は昔ヴァイオリンを習っておりましたので、こういった指の訓練というのは苦になりません。

とはいえ、ヴァイオリンでこのような指の動きが必要になるのは主に左手ですから、右手はまた別に訓練する必要があります。そういう意味では右手は茶道で、左手は日常生活(左利きなので)とヴァイオリンで訓練されたのかもしれません。

なお、右利きの方は、右手はすんなりできても左手にものすごく苦労するということが多いように思います。反対に左利きの方は左手ができれば右手もすぐにできるようになることが多いです。恐らく、日常生活で右手もある程度使っているからだと思います。

そういった意味では右利きの方よりも左利きの方が有利と言えると思います。特に、当流では指の細かな動きが要求されるようですので、その傾向が強いかもしれません。茶筅を振るのはある程度大きな動きですから、慣れてしまえばそう苦になることはないでしょう。

まあ、右利き、左利きを問わず、ある程度稽古を積み重ねれば自然とできるようになります。日頃から手指を自在に操れるように訓練することが大事です。上の写真の方法はどこでもできますから良い方法かと思います。





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手指の稽古


今日は随分と涼しかったですね。京都では最高気温が26℃程だったとのことです。しかし、明日はぐっと気温が上がり、35℃くらいにまで上がるだろうということでした。10℃近くも気温が上がると体調を崩してしまいそうですね。明日は外出する予定なので気を付けようと思います。

今日は当教室のお稽古があったのですが、先日書きました和天目(わてんもく)のお稽古を随分と熱心にされた方がいらっしゃいました。天目の稽古では台と茶碗を同時に持つことがありますので、なかなかそれが難しいようです。

手6
このような感じですね。通常、左手がこのような持ち方になるのですが、写真の都合上、右手で持っています。また本来、親指・人差し指・中指はもう少し上の部分を持ちます。

もう少し角度を変えると、
手7
このような感じです。

今回苦労されていたのは親指ですが、多くの場合どの指とどの指がくっついて、どの指は離れるのか?というのが分からない、または分かっていてもできないということで苦労されます。

そういった細かな指の使い方というのは基礎の点前でも非常に重要なのですが、こういった難しい点前になるとさらに重要になってきます。なので本来は早いうちから細かな指の動きを稽古しておくのが理想的ではあるのですが、最初にそこまで細かなことをしていると先に進まなくなってしまいます。

その辺りは教える先生によって様々な方法がありますが、最初は余り細かなことを言わないようにしているつもりです。とは言っても生徒さんから見ると細かなことまで随分言っているように思われることが多いです。

自分では抑えているつもりなのですが…普段自分では意識していませんが、言葉にして説明すると自分でも驚くくらい多くのことを考えつつ点前をしているようです。今では一々考えているわけではありませんが、慣れていない時は考えながらしていたのだと思います。

考えながらではなく、自然とできるまで繰り返し稽古することが大事ですね。「言うは易く、行うは難し」ではありますが。




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和天目


更新がまた滞ってしまいましたね…先日茶会があり、今週末にはまた別の茶会があって、さらには来週茶事があり、その間にお稽古もあるという状況で目が回りそうです。週末の茶会の取り合わせはほぼ決まりましたが、来週末の茶事の取り合わせは全く決まっておりません。ここが踏ん張り所と考えて頑張らねば!

さて、今日は先日稽古した「和天目(わてんもく)」の点前について書いてみようと思います。
和天目1
この点前は「天目」と言われる茶碗を使って行う点前ですが、使う茶碗によってこの「和天目」と「漢天目」、それに「袋天目」と点前が変わります。この天目を使うのは高貴な方にお茶を差し上げる際に使うとされていますので、そういった方は随行の方に差し上げる「お相伴茶碗付き」という点前もあります。

身分制度の無い今ではこの点前をしなければならないということはほとんど無いと言えますが、献茶などの際は今でも天目茶碗を使い、台子(だいす)と言われる棚を使って厳格な点前をしますね。とはいえ、そういった献茶をする方というのは限られていますから、一般の方にはほとんど必要の無い点前と言っても差し支えないかと思います。

師範になり、将来弟子を取って教えていこうと思っている方には必要ですが、そうでない方は無理に覚えなくとも良いと思います。多くの点前を覚えることよりも、最低限必要な点前がきっちりとできた方が実際は役に立ちます。

しかし、難しい点前を知ることで基本的な点前の新たな面が見えるということもありますから、できるならこういった点前にも挑戦してもらいたいですね。

そういえば、最近は忙しさにかまけて茶杓を随分と削っていません。そろそろ削り方を忘れてしまうんじゃないか?と心配になってきましたので、また時間を見つけて削ろうと思います。竹は手元に少しありますから、良い寸法に切って水に浸けておかないといけませんね。




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硯屏(けんびょう)の点前


うるう日の今日は各地で荒れ模様だったみたいですね。京都でも朝方、急に雨脚が強くなりました。明日からは3月ですが、冬の気温となるそうですから暖かい格好をして風邪を引かないようにしたいですね。

さて今日は先日の師範者研究会での点前、硯屏(けんびょう)の点前について書いてみようと思います。
硯屏
この写真の左奥の柄杓をかけている道具が硯屏で、元々は文字通り硯の向こうに屏風のように立てて文房飾りに使用するものです。それを遠州公がお茶の点前に使用されたことからこの点前が始まると伝えられています。

そういった関係から、この点前は遠州流系統独特の点前だと言われます。とはいえ、こういった少し変わった点前は余り茶会などではされないことも多いですから、実際のところは分からないですね。

さて、この点前は炉の四畳半切りのみの点前となっています。道具が増えますからある程度の場所が必要になりますので、当然かもしれませんね。また文房飾りをするのは書院(広間)ですので、草庵(小間)ではこの点前はいたしません。

なお、当流では初めの飾りの際には柄杓の合を上向きにしますが(写真のように)、遠州流ではうつむけにされるようです。こういった細かな違いが面白いなと私は思います。茶入と蓋置の飾り方も若干異なりますが、これは当流でもいくつか飾り方がありますので、同じ飾り方をすることもあります。

この点前は高等科の点前となっていますので、いわゆる「難しい点前」の範疇に入るかと思いますが、柄杓の扱いなどが理解できればそう難しい点前ではありません。とはいえ、最初はそこに苦労するのですが…でも目新しい道具が増えることで、新鮮な気持ちで点前できるとも思いますので、お稽古していても楽しいかもしれません。




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右勝手


またまた更新が滞ってしまいましたが、やっとなんだかよく分からない忙しさから解放されたように思います。この2~3週間色々と忙しく、慌しい日々でした。何が忙しかったのかよく分からない状態でしたが、これで少し落ち着いてくれると助かります。

さて今日は少し珍しい点前をご紹介してみようと思います。
右勝手
この写真だけでは珍しい点前なのか分かりませんね。当流では「右勝手(みぎがって)」と呼ばれる点前ですが、「逆勝手」とか「非勝手」などと言われる流派もあるようです。

なおどうしてこのような呼ばれ方をするかというと、勝手(水屋)が右にあるからです(「建水」と言われる使用した湯水を捨てる器が右にあるからという説もあります)。今でも台所のことを「勝手」と言い、「勝手口」や「勝手仕事」などという言葉が残っていますね。

その為、普段はお客さまは自分の右側に座っていますが、この点前では左側に座っていることになります。そこで点前を少し変化させるということが必要となってまいります。

なお現在ではほとんどの茶室が左勝手となっておりますので、左勝手のことを「本勝手」と言ったりもしますが、利休以前の茶室は右勝手の方が多かったとする説もあります。まあその頃の茶室というのは現存しておらず、資料も豊富という訳ではないのではっきりとしたことは分かりません。

さて、右勝手の説明を簡単に済ませたところで、実際の点前について見ていきましょう。当流ではいわゆる『本勝手』と言われる「左勝手」の点前と同じように風炉を置きますが、流派によってはこの写真と反対のように置き合わすようです。

そうすると普通の点前と変わらないのかというと、そうではありません。風炉の位置は普段よりも右へ寄せ、普段は風炉に向かって正対しますが少し左を向いて座ります。その他にも細かな違いがありますが、順番が変わることはありませんので落ち着いて考えればどうという事はありません。

なおこの点前はそういった茶室が無い限りする必要がありませんので、当流では余り稽古いたしません。実際私も今回3年ぶりくらいに稽古いたしました。余りしないとさすがに忘れてしまうでしょうが、ポイントさえ思い出せれば後は身体の動くのに任せると大丈夫ですね。なかなかそこに至るまでが大変ではあるのですが…




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釣釜(つりがま)


今日からいよいよ5月ですね。月日の経つのは早いもので、この間まで寒かったように思いますがもう夏のような日もありますね…春や秋はどこかに行ってしまったのでしょうか…

さて昨日、炉のお稽古が最後でしたと書きましたが、当流ではその頃に釣釜(つりがま)をします。他の流派では、3月にされたり4月にされたりと様々なようですが、当流では4月の半ばから終わりにかけて少しの期間だけいたします。

なおかなり昔はこの時期以外でも釣釜をしていたようですが、現在はほとんどの流派が3~4月頃にされるようです。また一般的にはこの釣釜の時は「五徳(ごとく)」と呼ばれる釜を支える器具を外して行われるのですが、当流などの遠州流系統の流派では「隠し五徳」と言って五徳を据えておきます。

釣釜2
こんな感じですね。なお「五徳」とは3本足の爪のようなもののことです。

なお最近は遠州流系統の流派でも省略されることが多いようで、当流も随分長い間省略しておりました。しかし、昔はしていたことがはっきりとしておりますので、私は最近はこの隠し五徳を据えるようにしております。

ただ、長い間行っておりませんでしたので、少々疑問点などが残ります。なお遠州流では特注の五徳を正式には使われるようですが、1ヶ月も使わないようなものを特注するのは大変なことでしょうね。

なおこの隠し五徳がある利点としては、万が一鎖が外れたりした場合でも釜が灰の中に落ちたりしないというが最大のものでしょう。鎖の場合は切れるということは余りないでしょうが、変に引っ掛かってしまっていた部分が外れて想像以上に鎖が長くなってしまうというようなことは間々あります。

そういった時でも隠し五徳があると釜は五徳の上に乗ってくれるので、大事にはなりません。万が一五徳がなかったら、釜は灰の中に落ちてしまい、お湯はこぼれてしまうこともあるでしょう。そうするとお茶が点てられなくなるだけでなく、灰などが舞い上がり大変なことになります。

そういった面では、もしもの時の備えがあるということは安心できて良いことだと思います。





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寒い日には炭


今日は啓蟄でしたが、寒かったですね…そんな寒い日は炭火を見て暖まってもらおうということで、今日は炭のことについて書いてみようと思います。

当ブログでは何度か炭点前について書かせていただきましたが、炉の炭点前は基本となる四畳半での炭の様子はご紹介しておりませんでした。なぜか写真を撮るときはいつも向切の炭を稽古していたんですね。

しかし、今回ついに四畳半での炭の写真を撮りました。
炭13
写真の撮り方が悪く、どうみても火が熾りそうにありませんが…
(写真では白くなっている炭は実際には火が着いており、もっと赤かったです)

炭14
ちゃんと着いてくれました。枝炭は勿体無いので1本取りましたが…

今回の炭点前をされたのは以前千家のお茶を習ってられた方なのですが、「こんな置き方で火が着くんですか?」と心配されていました。反対に私は千家の方の炭を見て、「あれでも火が着くのだろうか?」と心配になります。

まあそれぞれの流派で工夫された配置なのだと思いますので、きっちりと置けば火は着いてくれるとは思います。しかし、見慣れない形であればどうしても心配になりますね。



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釜をたたく?


今日の京都は日中随分暖かく過ごしやすい気候でした。天気予報では黄砂が飛び始めていると言っていました。私は幸いにして花粉症ではありませんが、花粉も飛んでいるそうで、花粉症の方はこれからしばらく大変な日々が続くのでしょうね。

さて今日は当流の炭点前の中で少し面白い作法をご紹介してみようと思います。もっとも遠州流系統以外の炭点前を見る機会がありませんので、他の流派でも当たり前のようにされているのかもしれませんが…
炭15
タイトルにもありますように、釜をたたいております。この時に使う布は釜巾(かまきん)と言い、普段使う茶巾の倍の長さの布です。

こうしてたたくことにより釜の表面を清めるということなのですが、水気がつくことで釜の地紋もよく見えるようになります。地紋があるような釜の場合はここで地紋を尋ねます。また釜の肌が面白いようであれば、それを褒めたりもします。

またこうして水分を含んだ釜巾でたたくことで湯気があがりますので、寒い時期などではまたそれを風情として楽しみます。たたき方によって湯気の出方も変わりますので、修練が必要な動作と言えます。結構目を引く動作でもありますから、リズミカルにすることも求められます。

ちなみにこの写真では釜の向こう側をたたいておりますが、手前側をたたく時は途中で手の向きを変えます。ここもスムーズに手を動かすことが大切ですので、慣れるまでは結構大変な動作です。

なおこの写真では少し見えにくいですが、左手は釜の蓋のつまみを押さえております。当流では男性女性を問わず、普段釜の蓋を開ける時は帛紗などを使いますので、熱い蓋を持つことには慣れておりません…なので、ここではちょっとした準備をしておかないと火傷しますので、注意が必要です(昔何度か熱い思いをしました)。

今日は当流の炭点前の一部をご紹介してみました。他の流派の炭点前も見る機会があれば良いのですが…まあその内拝見することもあるでしょう。



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炭点前の稽古と炭について


先日のお稽古では炉の炭点前をしました。何度か書きましたが、当流では炭点前に関して難しいものから始めるようになっていますが、私は反対の順番で教えています。なおこの炉の炭点前は3種類ある中では真ん中の難しさだと思います。まあ難しさは人によって違うので何とも言えませんが、私はそう思っています。

炭12
炭斗(すみとり)の中はこのようになっています。以前見ていただきました風炉の炭よりも大振りの炭が入っています。

炭7
こちらが以前ご紹介した風炉の炭です。羽箒は同じものなので、大体の大きさの違いはお分かりいただけるかもしれませんね。

今回の炭は実はこれでも少し小振りです。大きいものだと一番大きな胴炭(どうずみ)だと、直径2寸5分(7.5cm強)、長さ5寸(15cm強)と非常に大きな炭を使います(時期や気温によって使い分けます)。もっとも最近はそんな炭が手に入りにくいので、この写真のような直径2寸(6cm強)位のものを使います。

以前京都の炭屋さんで、「直径2寸5分位の炭はありますか?」と聞いたところ、「そんな炭ありません。そんなに大きいの使われるんですか?」と大層驚かれたことがあります。まあそこまで大きくない炭でも今はなかなか手に入らなくなってきておりますから、仕方ないことかもしれません。

ただ、冬の寒い時期にその寸法の炭が燃えているのを見ると暖かい気持ちになれるのですが…残念なことです。まあお稽古などでできるだけ消費して、炭が途絶えない為のお手伝いをほんの少しでもできればと思います。

時々聞くのですが、炭点前の稽古をしても実際に炭は燃さないというところも結構あるようです。しかし、実際に燃やしてみないと上手く火が移るかなどは理解できないように思います。それに少しでも需要を増やすことも必要だと思いますから、財布には厳しいかもしれませんが、どんどん燃やしてもらいたいなと思います。



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お茶入拝見


昨日は外食をすることになったのですが、また食べ過ぎてしまいました。先日の決意はなんだったんだ?と言われそうですが、「食べ放題」の魔力には勝てませんでした…しかし、「不幸中の幸い」なのか、以前より食べられる量が減っておりましたので、昔ほどは食べておりません。でも、今日は食事量を減らさないといけないですね…

さて気を取り直して、今日は当流の「茶入拝見」について書いてみようと思います。茶道を習ってられる方はお分かりになるかと思いますが、習われてない方やご存知ない方の為に簡単に説明してみます。

茶道では、使った道具が「素敵だな」と思ったら「もう一度(又はもっと近くで)見せてください」という風にお願いをすることがあります。それを「拝見」と言い、お茶を入れておく茶入を見たい場合は「お茶入拝見」とお願いするわけです。

濃茶の場合、茶入というのは非常に重要な道具となっておりますので、ほぼ全ての場合拝見を請うことになります。そうすると点前をしている方は、請われた道具を出すのですが、その出し方が流派によって随分異なります。

遠州流系統の流派では当流も含めてこのように出します。
拝見
(仕覆、茶杓も出した状態の写真)

なおこの写真では手で隠れてほとんど分かりませんが、茶杓は横向きに置きます。本来の意味は分かりませんが、当流では「接地面積を少なくし、掬う部分が余り畳に触れないようにする為」と言われております。

ただ拝見は点前の最後、お茶を点ててしまってからするので、この後この茶杓を使ってお茶を掬うということはありません。なので「別に茶杓が畳に触れても構わないのでは?」とも考えられます。茶道ではこういったことの理由というのは「後付け」のものが多いので、本来の意味というのはよく分からないことも多いです。

なお客から返す場合はこれと似たようにして返すのですが、千家さんの返し方とは随分異なるようで、茶会などでお返しする際にいつも悩ませてしまいます。ただ私も自流のやり方が一番自信のある扱い方なので、そのように返させていただきます。裏千家さんの返し方は一応知ってはいるのですが、変に慣れない方法で道具を扱って万が一にも粗相があってはいけませんから。

なお私が点前をしている場合はどのように返していただいても、特に焦ることなく対応しますので、もしそういった機会があったらご自由にお返しくださいね。

ちょっと話が逸れましたが、濃茶の点前をされる場合はこの時の茶杓の扱いが少し難しいようです。慣れてしまえばどうということではありませんが、最初は手首の使い方が難しいと仰る方が多いようです。他の所作と同じように、何度かすれば慣れますので繰り返しお稽古して慣れてください。



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「くつろげる」


昨日の京都は朝方雪が積もっておりました。この冬は随分雪が降りますね。

さて今日は少し聞きなれない言葉のタイトルですが(私だけ?)、「くつろげる(寛げる)」という言葉についてです。

手元の辞書には、「ゆるやかにする、ゆったりさせる」というような意味が載っておりますが、現在ではほとんど聞くことが無い言葉かと思います。「寛ぐ(くつろぐ)」という言葉は聞きますが、「寛げる」と聞いてもすぐには理解できないように思います。

そんな言葉を当流では茶入の袋(仕覆:しふく))を扱う際に使います。どういった場面かと言いますと
濃茶15
ここです。茶入の袋に紐がついているのですが、それをゆるめて茶入を取り出す際に使います。もっとも最近ではそのような言葉を使わずに説明することの方が多いですね。

なおこの茶入の袋を扱うことは、濃茶のお稽古をする中では苦労される部分かと思います。古い袋の場合生地が弱っている場合がありますので、丁寧に扱う必要もあります。最初は新しい生地のものでお稽古をしていただき、慣れてくると古いものにも触れていただき、注意点などをお伝えします。

何でも実際に経験しないと分からないことは多いですね。




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上手くいった炭切り

今日は炭を切りました。当流で使う炭は、千家さんのお使いになる炭と形や寸法が異なりますので、自分で切らないといけません。ちなみに私は細かな刃ののこぎりで切ります。

千家さんの場合は道具屋さんで組炭といって寸法通りに切れている炭がセットになって販売されていますので、お金さえ出せば切らなくとも良いのでしょう。もっともご自身でお切りになっている方もいらっしゃる多いかと思います。

さて、当流などの遠州流系統の流派で切るのがもっとも難しいのは「輪炭(わずみ)」と呼ばれる炭でしょう。これは炉の場合、直径2寸~2寸3分・厚さ5分(曲尺)という寸法の炭なのですが、上手に切らないと途中で割れてしまいます。
炭11
この写真でいうと右上の方に丸い炭が見えるかと思いますが、その炭が輪炭です。この炭をこの写真のように、大きな胴炭(「どうずみ」、上の大きな炭)と相手炭(「あいてずみ」、胴炭の右下の炭)の上に置きます。そしてその上にお香を乗せ、じんわりと熱を加えます。

そうすることでお香に適度な熱が加えられ、良い香りが部屋に漂います。この写真ではまだ輪炭全体に火がついていないですが、全体に火がつくと非常に見た目も綺麗です。もっともその状態を見ることは余り無いのですが…

この写真は先日の師範者研究会で撮影したものですが、席を改めている間に撮っておきました。なぜか去年撮った写真もこの時と同じ向切の稽古をしていた際のものでした。四畳半や台目の時は五徳の爪の向きが異なりますので、炭の配置も変わります。

この時に炭を使いましたので、段々手持ちの炭が少なくなってきました。今日上手く切れて洗うことができましたので、しばらくは困りません。炭を切る時は結構神経を使い、洗うのも手間がかかるのですが、燃えると無くなってしまいますので少し勿体無い気もします。

しかし、お茶の味を大きく左右する湯加減を決定する大事な要素なので疎かにすることはできません。まあ輪炭はそこまで湯加減には影響を与えないようにも思いますが、見た目とお香の香りには大切な炭と言えますので頑張って切らないといけないですね。

今日で1月も終わり、明日はもう2月です。明日はお稽古だというのに、まだ2月のお稽古で使う道具が決まっていません。早く何とか考えないと!しかし、そろそろこのブログと同じようにネタ切れ気味になってきました…




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湯水すすぎ


当流はこれまでに何度も書いておりますが、小堀遠州流の流れの流派で点前も非常に似通っています。ただ茶道を習っている方の多くは千家のお茶を習われていることから、当流の点前をご覧になると驚かれることが多いです。

特に濃茶の点前では「そんなことをするのは信じられない」と驚かれることがあります。それが今日取り上げる「湯水すすぎ」です。これは濃茶の点前のみ行う所作ですが、別名「指洗い」とも言い、言葉の通り「湯水を使い、指にて茶碗を洗うこと」です。

言葉だけでは伝わりにくいのでその際の写真を。
濃茶16
茶碗の中に指を入れて洗っていますね。「熱くないのですか?」と聞かれることもありますが、お湯と水とを茶碗に入れて調整しますので熱くはありません。もっともお湯をたくさん入れて、水が少ないと熱いこともありますから、そこは注意が必要ですが。

この茶碗の洗い方は小堀遠州流や遠州流も同じですし、湯水と指で茶碗を洗うのは他の流派でもされるところがあるそうです。私も他の流派の方の濃茶点前をじっくり見る機会はそうありませんので、詳しくは分かりません。ただ裏千家ではどうやら無い所作だそうで、大層驚かれます。

なお当流では広間で濃茶を差し上げる場合は「各服点(かくふくだて)」と言って、1碗のお茶を飲みまわすのではなく、一人分ずつお茶を点てます。その際には、まだその茶碗で飲む方があれば指で洗いません。さすがにお客さまの目の前で指を入れた茶碗でお茶をお出しする訳にはいきませんので…

流派が違うと色々と作法や所作は異なります。何を良しとするかも変わってきますので、異なる流派の点前や作法をご覧になった場合は楽しんでご覧になっていただければと思います。

そういったことがあるので、お茶を習われていない方も余り作法に囚われ過ぎることなく楽しんでもらえればと思っています。




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山荘流茶道教室

Author:山荘流茶道教室
京都市東山区にて山荘流の茶道教室を開講しております。
静かな環境で非日常を楽しめる教室を目指しています。

初心者の方から丁寧にお教えいたします。もちろん他の流派を習っていた方やブランクのある方も大歓迎です。

ご興味を持たれた方や習ってみたいなと思われた方は、どうぞ気軽にメールフォームからご連絡ください。

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