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濃茶の余香


今日は濃茶の点前のことについて書いてみようと思います。

当流では濃茶の点前で、客が飲み干した茶碗が戻ってきた際に茶碗を少し上げ、余香を嗅ぎます。当家に伝わる古書によれば「呑口(のみくち)を見て、遠香を聞く」とあります。
濃茶7
これは綺麗に練れていますね。なお飲み口の様子についても口伝があり、そのようになっているかを見ます。点前をしている側はそのように見ますが、客になった時も同じです。

当流では飲みまわしをする際は、正客が連客の方に茶碗を置き、皆で茶の色を見ます。そして順次飲んでいき、飲み終わった茶碗を再度拝見します。その時に飲み口の様子も見て、上手に練れていればそのことも褒めます。点前をしている側としてはこの時が「上手く練れていただろうか?」と一番緊張します。

なお、余香を嗅ぐ際の注意ですが、香りを嗅ごうとするとつい茶碗を顔の近くに寄せてしまいますが、「遠香」とあるように余り近づけ過ぎないことが大事です。なお現在私が読んでいる細川三斎の教えを記したとされる『細川茶湯之書』にも

「一 茶をのミはてゝ、匂ひをきくに、あまり鼻を引よせたるは悪し、少の間有かよし

とあります。

余香を嗅ぐのは濃茶のみですが、薄茶の点前の際も茶碗の中を見て確認します。この時も底の方にお茶がこびりついていることもありますので、そういう時はゾッとします。茶碗によってはどうしても底に茶筅が当たりにくく、そのようになってしまうことがありますから注意が必要ですね。どんな時でも客に出す前に自分で点てて飲んでみて確認することが大事です。




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炭の稽古


今日は炭のお稽古について書いてみようと思います。炭点前(「炭手前」と書き分けている流派もありますね)は火気厳禁のカルチャーセンターなどではお稽古ができない為、余りお稽古することができない方もいらっしゃいますね。もっとも茶会などに行っても炭点前を見ることはほとんどありませんので、余りお稽古されないところもあるようです。

また現在では炭が簡単に入手できないようになりましたので、そういった意味でも中々お稽古することが難しい点前とも言えるでしょう。炭を作られる労力を考えるとあの値段も妥当だとは思うのですが、毎回のお稽古で使うとなるとちょっと高く感じてしまうことも事実です。
しかし、どうすれば上手く火がおこるのかを理解するには実際に経験するしか方法がないと考えておりますので、当教室ではできるだけ回数をこなしてもらうようにしています。

炭点前の難しいところは炭の置き方はもちろんですが、点前の最後に当流では羽箒で室内を掃いて帰るところが最も難しいのかもしれません。座掃(ざはき)や掃き入りと言われるこの動作ですが、当流では炭点前の最後に必ず行います。また遠州流系統の流派ではこの掃き入りを三つ羽などとも言われる通常の羽箒で行います。
羽箒1
(三つ羽)

なお遠州流の羽箒は以前「羽箒(はぼうき)について」という記事でもご紹介しましたが、千家さんのものに比べると羽の長さが短いです。

この羽箒で畳を掃いて下がるのですが、この動作が非常に難しいんですね。私の曾祖母が非常に上手だったと聞いたことがありますし、遠州流の先代の小堀宗慶氏も非常に上手だったと本で読んだことがあります。しかし、残念ながらどちらの方のも見たことがありません。

ポイントは羽を畳にほとんどつけずに、手首のスナップをきかせて風を起こし、その風で塵を払うようにすることなのですが、これが本当に難しいです。また自分である程度できるようになっても動きのコツを上手く伝えることが難しいので、まだ十分に会得したとは言えない動作の一つです。

ご覧になる機会は少ないかもしれませんが、どこかでご覧になれば注目してみてください。



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今日のお菓子(鶴屋八幡さん)


今日は和菓子のご紹介ですが、茶席では余り使わないお菓子をどうぞ。
お菓子69
鶴屋八幡さんの「舞鶴」です。パッケージだけではどんなお菓子か分かりませんね。
お菓子70
中身はどら焼きです。非常に美味しいお菓子で、駄菓子という感じでは無いのですが、茶席で使うのには抵抗がありますね。

母がこちらの舞鶴が好きなので、お稽古に来られている方がわざわざ買ってきてくださいました。鶴屋八幡さんは私も好きなお菓子屋さんの一つなのですが、難点は京都にはお店が無いということです。大阪が本店で、東京にも支店があり、大阪や東京のデパートにも出店されているのですが、京都には出店されていないのです。

昔東京にほとんど行ったことがなかった頃、鶴屋八幡さんが東京にたくさん出店されていることを知らずに、お土産にこちらのお菓子を持って行ったことがありました。その途中にデパートに寄ったら、お店があってショックを受けたことがあります。
ちなみにそのようなお店としては、滋賀県のたねやさんもそうですね。滋賀(本店)と大阪、東京のデパートに出店されていますが、京都には出店されていません。

なお鶴屋八幡さんには私の最も好きなお菓子の内の一つがありますが、そちらの紹介はまたの機会に。



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茶席と紬の着物


今日は昨日に引き続き、茶席での着物について書いてみようと思います。

茶席では一般的に紬(つむぎ)は着ないとされています。その理由として、いくつか見聞きするものは

1、紬は普段着である為、格の高い茶道には適さない
2、紬は生地に節があり、また硬い生地である為、畳を傷める
3、口うるさい人に咎められる

といったようなところでしょうか。3は半分冗談ですが、これが一番大きな理由かもしれませんね。しかし、1・2については色々と疑問が残ります。

まず「紬は普段着」という考え方ですが、今はそんなことありませんね。大島や結城紬などは高級品としても知られています。ただ成立を考えると「普段着」だと言われることもあります。
江戸時代は身分により着られる材質も異なった為、町人などは絹の着物を着られなかったとされています。しかし、紬は「絹に見えない」という理由で裕福な町人に着られていたとも言われています。もっと昔には耐久性があるために野良着であったとも言われています。

そういったことから紬が「格の高い茶道」には適さないと考える人もいます。しかし、大名や公家の家に伝わった流派が「紬は着ない」というのであれば理解できますが、「侘び茶」を唱えている流派で紬を着られないのはどういった理由からなのでしょう。「家は洩らぬほど、食事は飢えぬほどにて足ることなり」とされるのであれば、たとえ野良着であっても清潔な着物であれば構わないように思います。「家は…」というのは南坊録に書かれていることで、信憑性に欠けるという主張をされる訳でも無いでしょう。
ちなみに大名系の流派のいくつかでは、「今は着物がないから、男性の場合は無地の紬でも構いませんよ」というところもあります。

2の「紬は畳を傷める」というのも疑問です。よく見る「茶席での男性の袴の定番」とされている物の中に「紬袴」があります。着物の生地が紬なら畳を傷めるが、袴の生地が紬でも畳は傷めないという訳ではないでしょう。
なお、以前「男性の茶席での着物は染め抜きの5つ紋か3つ紋で、袴は仙台平ではなく無地袴がベスト」といったことを書かれているサイトを見たことがありますが、染め抜きの5つ紋の着物には仙台平にする方が良いかと思いました(3つ紋の着物は着ないので分かりませんが)。黒紋付にも紬袴などを合わせる方が良いのでしょうか?何か特別な理由があったのでしょうか?謎です…


男性の方で他に着物がなく、余り派手な柄でなければ紬でも全く問題ないと私は思います。その方が「折角茶席に行くのだから和服の方が良いだろう」と考えて着てこられたのであれば、ありがたいことだと思います。ちょっと着方がおかしいとか、着ているものが相応しくないとしても、その心意気をかってあげたいと思います。
誰でも最初は分からないことがあって当然です。「あなたそんなものを着てきたらいけません!」なんて怒るのはやめてあげてくださいね。



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茶席での羽織について


昨日は風が強かった為、今日の朝の掃除は大変でした。ちょうど家のオガタマの木が葉っぱを落とす時期も重なっていますので、余計大変だったように思います。掃除していると、私の下の名前を呼ぶ声が。振り向くと幼稚園の先生がいらっしゃいました。卒園したのはもう25年近く前のことなのによく覚えてくださったなと驚きました。よっぽどの問題児だったのでしょうか?

さて今日は昨日に引き続き、着物の話を。以前「茶席での着物」という記事でもご紹介しましたが、当流では男性が客として茶会に行った場合は席中でも羽織を着ます(ただし女性は着ません)。現在では、色々な本やインターネットのサイトなどで「茶席では羽織を着ない」という風に説明されているので、私が羽織を着ていると驚かれることが多いです。

着物4
この写真は昭和4年のものですが、着物の方は皆羽織を着ていますね。右端の人は恐らく時計をされていますが、これは現在では避けた方が無難でしょう。万が一、道具に当てて傷つけては大変ですからね。
なお戦前はこのように茶席でも羽織を着ていることも多かったようです。どのような理由で現在では多くの方が羽織を着なくなったのかよく分かりませんが、当流では今でも羽織を着ます。

このように書くと他には羽織を着ない流派ばかりだと思われるかもしれませんが、他にも羽織を着られるところもあります。私がこれまで見た中では武家の流派に多いですね。とりあえず千家のお茶を習っている方は羽織を着られません(十徳という特殊な羽織は除く)。

また羽織を着けられる場合、問題になるのが羽織紐の扱いです。上の写真では皆さん特に何もされていないですが、現在の遠州流の家元は写真で見る限り、どうやら茶席ではほどいてられるのか、外してられるのかのどちらかだと思われます。なお私が実際に拝見した他の流派の方は特に何もされていません。

確かに、羽織紐があるとそれが邪魔になったり、道具にぶつかったりすることもあるでしょう。慣れれば問題ないのですが、「気になる」という方もいらっしゃいます。遠州流の家元がどうしてそうされるのかは知りませんが、それも方法の一つだと思います。

ただ羽織紐をほどくことで新たな問題も発生します。羽織紐が自分で結べなければ後で困るということです。結ぶ自信がなければそのままにしておいても良いかと思います。

私が茶席で羽織を着ていると年齢が若いこともあってか、「この人茶席で羽織を着てるよ!何も知らない人なんだ…」と思われることがあるので(さすがに直接指摘する方はいませんでしたが、ヒソヒソ話している人はいました)、ちょっと書いてみました。書いていると他にも色々と疑問に思っていたことを思い出したので、今度また書いてみようと思います。

(2014年12月 追記)
最近見た遠州流の家元の小堀宗実氏の写真では特に羽織の紐を解いたり、外したりということはされていませんでした。以前見た写真がそう見えただけなのか、たまたまその時外されていたのか詳しいことは分かりません。その時の状況によって判断されているのかもしれません。
自分で結べる人はそれが一番理想的ですね。結ぶのが難しい人はそのままにしておけば大丈夫です。





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秋の訪れと私の着物への思い


今日は随分風の強い日でした。この様子では明日の庭掃除が大変そうです…さて私は今日今年初めてキンモクセイの香りを感じました。母は「1週間位前からしてるやろ?」と言ってましたが、私は今日が初めてでした。そんなに鼻は悪くないと思いますが、そこまで違うと少しショックでした。まあ香りを感じた場所が違うということにしておきましょう。

キンモクセイの香りは女性に好きな方が多いように思いますが、私も非常に好きな香りです。この香りがすると秋も本番という感じがしますね。早いもので、もう9月も終わりです。来月からは着物も袷(あわせ)と言って裏地のついた着物に変わります。私は今のところ袷の着物を一番持っているので(ほとんどの方がそうだと思いますが)、組み合わせなどが楽しみです。

まあ私は着物で外出は余りしませんが、それでもなんとなくワクワクしますね。こんなことを書くとお世話になっている着物屋さんに怒られそうですが、ちょっとしたお出かけで羽織袴は大層ですからね。どうしても癖なのか、着物を着ると袴を着ないと落ち着かないですし、外に出るなら羽織を…と考えてしまい大層な格好になってしまいます。着物と羽織だけで出かければ良いじゃないかと言われそうですが、なんか落ち着かないんですね。

最近は水屋の準備などの時は袴を着けずにして慣らそうとしているのですが、やはり不思議な感じがします。入社したての研修の時、「寝る直前までスーツを着ている」と言われたこともある私ですが、人前でラフな格好をするというのが非常に苦手なのだと思います。なので、袴なしという姿で外出することは今後もほとんど無いのかもしれませんね。

そんな私なので、フラッと月釜に行く時などは必ず洋服で行くようにしています。いきなり30歳位の男が羽織袴(当流は客の場合は席中でも羽織を着ます)で現れるとびっくりされ、大抵の場合正客に祭り上げられてしまいますからね。正客になるのが嫌という訳ではないのですが、他の所で正客も随分経験させてもらっていますので、たまには別の場所から茶席を見たいなというのが本音です。正客になると会話もしないといけないので点前をじっくり見てられないという欠点がありますから、そういう意味でも困ることがあります。
まあ洋服で行っても、「そこの男性の方お願いします」とか言われて正客になることも多いのですが…そういえば先日行った月釜でも正客になってしまいました。

最後にご紹介し忘れていたお菓子をどうぞ。
お菓子65
松壽軒さんの「初萩」というお菓子です。もう「初」というには遅くなってしまいましたね…




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能を見て


昨日は秋分の日でしたね。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があるように随分過ごしやすい気候になりました。

そんな気候の中、昨日は近所にある新熊野神社(いまくまのじんじゃ)まで能を見に行ってきました。この新熊野神社(「今」熊野神社とも記す)は観阿弥・世阿弥父子が演じた猿楽能を将軍足利義満が見物、感銘を受けたことにより、将軍家の庇護を受けるようになったきっかけの場所とされています。その為、この神社を能楽発祥の地と言う方もいるとのこと。

今年はその将軍と観世父子との出会いから640年とのことで、観世宗家の観世 清河寿氏が「翁」を演じられました。能を拝見するのは久しぶりでしたが、観世宗家の舞台が見られるならと行ってきました。

私には能の素養というのがほとんどありませんが、母が数年前まで仕舞を習っておりましたので、仕舞なら少しは見たことがあります。そんな私が感想を述べるのもどうかと思いますが、さすが身体の使い方が良く修練されているなと思いました。特に凄いなと思ったのが、拍子を踏む時の足の上げ下ろしの動きです。あのような身体の動きを会得するには稽古をすることしかないのでしょうが、想像のつかない苦労があったと思います。

茶道の場合、点前の美しさというのは、それだけを追い求める対象ではありません。しかし、稽古の足りていない点前を見ることは嬉しいものではありません。「いつ始まって、いつ終わったのか分からないような点前が良い」とも言われます。その境地に達するにはやはり稽古が必要ですが、それができれば終わりというものでもありません。主客の会話などもありますからね…

しかし、能などのいわゆる「舞台芸術」では舞台の上が勝負ですから、身体の動きを極限まで鍛えられるのだろうとは思います。もっとも、それ以外の要素も大きく影響があるでしょうから、色々と考えられているのだろうとは思います。まあ私には想像のつかない部分もありますから、一度そういったことをどなたかと話してみたいなとも思います。


話は変わりますが、能を見る際にちょっと残念なことがあったので、そちらのお話も。
今回は奉納ということで、能を演じられる前に神事があった為、一部分を空けて欲しいとの説明が係りの方からあったのですが、全然誰も動こうとしなかったことです。良い場所で見たい気持ちは理解できなくは無いですが、それくらいは最低限しましょうよと思いました。子供が駄々をこねるなら可愛げがあるかもしれませんが、いい大人がそれでは恥ずかしいではありませんか。

また演能中にも関わらず携帯のカメラなどで写真を撮る方の多いこと。南座とかの舞台を見に行って写真を撮る人がいますか?なんだか最近はそういったことが増えましたね。
同じようなことは茶席でもよくあります。昔に比べて気軽に写真が撮れるようになったからなのか、それとも常識という概念が通用しなくなったのか…大人がしっかり考えるべきことだと思います。




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根津美術館へ2


昨日に引き続き根津美術館の現在の展示のご紹介です。

今日ご紹介するのは「松屋肩衝(かたつき)」からです。こちらは10/19までの展示となっています。しかし、その後はなんと「初花」が出展される(10/21~11/3)というのです。しかもちょうどその頃には三井記念美術館で「遅桜」が展示されています。

これはこの時期にもう一度東京に行くしかありませんね。「初花」と「遅桜」についてはまたその際に詳しくご紹介しようと思います。

肝心の「松屋肩衝」ですが、こちらは徐煕(じょき)筆の「白鷺図」、「存星(ぞんせい)の長盆」とともに松屋三名物のひとつとして伝わった大変有名な茶入です。高校の時に一度見ているので、今回2度目の実見です。しかし正直高校生の時に見た印象が余り残っておりませんでしたので、今回が初見というような感覚ではありました。

その当時は余り濃茶をしていなかったので、茶入に興味が余り持てなかったのでしょうね。その時に見た他の茶入も余り記憶がありません。勿体無いことです。

実見した印象は、肩衝という名前からもう少し背の高いものを想像しておりましたが、高さは7.7cmと漢作唐物肩衝としてはそう高くはなく(と言っても一般的な茶入からするとかなり大きいですが、横幅との対比で背の高さは余り目立ちません)、胴の堂々たる風格に驚かされました。

なおこの茶入は置形(おきがた)と呼ばれる景色が4つあると言われており、それぞれ古来見立て、利休見立て、織部見立て、遠州見立てと伝わっております。今回の展示で私が見た感覚では、意外なことに利休見立てが一番しっくりきました。

恐らく利休見立てを選ぶという事は無いだろうと思っていましたが、あの展示スペースで見た場合はそれが一番しっくりきました。ただ実際に手に取ったり、もう少し明るい場所で見たりするとまた違う選択をするのかもしれません。

さて他には「伊予簾(いよすだれ)」も出展されていました。こちらは初見でした。一緒に伊予簾緞子の仕覆(しふく)も出ていましたね。なおこちらは10/13までの展示で、10/15以降は「相坂丸壷」に展示替えとなります。

他にも、光悦の「乙御前」や楽の「木守」なども出ていましたが、当流では基本的に楽茶碗は使用しませんので、どうも昔から興味が持てませんね。好きな方はものすごい好きですが、時々見る安っぽい稽古用の楽茶碗に幻滅したことがあるからか、私はどうも好きになれません。一度このような名碗でお茶をいただいたら印象が変わるのだろうと思うこともありますが、そのような機会はありませんね。

さて2階の展示室には「正木」の茶入も出展されていました。こちらは「正木手」の本歌の茶入で是非見たいと思っていた茶入でした。展示室が暗めのために、写真で見ていた印象とは随分違いましたが、立派な茶入でした。このように本などでは明るい印象でも、茶室の照明(照明と言っても自然光のみの場合もあります)の下で見ると随分違って見えることもありますので、注意が必要です。

さて他にもたくさん展示がされていましたが、全部の紹介をすることもできませんので、是非一度行ってみて下さい。私が行かせていただいたのは、展示2日目の日曜日ということで混雑しているかな?と心配しましたが、そこまでの混雑ではありませんでした。

なお私のおススメは、昨日ご紹介した「馬蝗絆」が出展されている10/1までと、「初花」の茶入が出展される10/21以降の2回行かれることでしょうか。関東圏にお住まいの方はそれができるので羨ましいですね。という私ももう一度10/21以降に行くことを考えておりますが…

「馬蝗絆」(昨日の写真とはだいぶ違う色に見えます)
馬蝗絆1
(画像提供:東京国立博物館

なお途中展示の入れ替えがありますので、ご注意ください。また文中の展示期間はいただいた展示目録によるもので、出品作品や期間が変更になる場合があるので詳しくは美術館に確認してください。



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根津美術館へ


昨日は根津美術館に行ってきました。時間の関係で東京国立博物館は断念しましたが、十分満足いたしました。

今回は予め「松屋肩衝」という茶入が出展されると聞いていたのでぜひ行こうと思っていたのですが、他にも素晴らしい品々が出展されていました。

行ってみて初めて知ったのですが(もっと調べて行くべきですね…)、今回の企画展は「新創開館5周年記念特別展」ということだったんですね。どうりであれだけの品々が出てくるわけだと納得しました。

今回のテーマは「名画を切り、名器を継ぐ 美術にみる愛蔵のかたち」というものだったのですが、切断されて新たに表装された絵巻や古筆、破損して補修された茶道具などを中心に展示されていました。

その中で気になったものをいくつかご紹介しましょう。

まず驚いたのが、「石山切(いしやまぎれ)」の数です。私が見た時は伊勢集が3種、貫之集下が2種でした(途中展示替えあり)。石山切はその特殊な料紙(りょうし)が特徴的ですね。今回10/15~11/3までの期間には、元々連続した3ページが3幅の掛け軸となったものが一堂に会するそうです。このタイミングでもぜひ見に行きたいですね。

またこちらも驚いたのが、佐竹本三十六歌仙絵の「斎宮女御」「小野小町」「小大君」の三美人勢揃いでした。元は2巻の巻物だったこれらの軸は大正時代に、一人で買うには高額すぎると判断され、切断されて売却されたものです。

どの部分を買えるかは抽選で決まったのですが、女性の歌仙絵が特に人気を集めました。今回は10/13まで、この評価の高かった3人の美女を同時に見ることができます。これら3幅が同時に見られる機会は中々ないので、貴重な経験をさせてもらいました。

次は何と言っても青磁輪花碗「馬蝗絆(ばこうはん)」でしょう(展示は10/1まで)。高校生の時に京都国立博物館で開催された「日本人と茶」という展覧会で見ましたので、今回が2回目の実見となりました。
馬蝗絆2
(画像提供:東京国立博物館

この茶碗は青磁の色の美しさだけでなく、この修復技術やその逸話などもこの茶碗を名物たらしめていますね。今回の展示のテーマである、「名器を継ぐ」というのにぴったりな一品であると言えましょう。この馬蝗絆の逸話は皆さんよくご存知だと思いますが、ご存知でない方の為に簡単にご説明させていただきます。

この茶碗に亀裂が入った為、足利義政がこの茶碗と同様のものを求めて中国に送ったところ、「これと同様のものはもう造れない」として、ひびに鎹(かすがい)を打って送りかえしてきたという逸話があります。それを馬にとまった蝗(イナゴ)に見立て、「馬蝗絆」という銘が付いたとされています。

裏から見るとこのようになっているそうです。
馬蝗絆3
(画像提供:東京国立博物館

私が以前見た際は照明の感じが違い、今回よりも綺麗な色に見えたように思います。今回は青磁の色の美しさは余り感じませんでしたが、形の綺麗さが良く分かり新たな発見をすることができました。

ちょっと長くなりましたので、続きは明日にでもまたご紹介いたします。なお途中展示の入れ替えがありますので、ご注意ください。また文中の展示期間はいただいた展示目録によるもので、出品作品や期間が変更になる場合があるので詳しくは美術館に確認してください。



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今日のお菓子(松壽軒さん)2


今日からちょっと東京へ行ってきます。今回もタイトなスケジュールなので、あまり博物館・美術館には行けないかもしれませんが上手く回って、少しでも行ければと思っています。

さて今日はお菓子のご紹介です。先日ご紹介しました松壽軒さんの別のお菓子です。
お菓子64
「初雁(はつかり)」という銘の薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)です。ゴマが飛来する雁をあらわしているのでしょう。茶道では席に入る際、連客が連れ立って順番に移動する様を「雁行(がんこう)」と言ったりすることもありますが、これもその風情ですね。

昔は雁を狩ることも多かったようですが、最近は準絶滅危惧種に認定されているそうです。確かに鴨鍋は聞いたことがありますが、「雁鍋」というのは聞いたことがありません。しかし、「だいぞう爺さんと雁」という物語は教科書か何かで読んだ記憶があります。昔は随分身近な鳥だったのでしょう。

秋風に 声をほにあげて 来る舟は
 天のとわたる 雁にぞありける   (藤原菅根朝臣)


(『古今和歌集』 奥村恆哉 校注  昭和53年 新潮社)から

天を海に、そして雁を大海原を行き交う舟に例えたスケールの大きい歌ですね。「ほにあげる」とは高くはりあげるという意味だそうですが、「帆」にもかけており舟とも結びつきます。



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濃茶を点てる


最近自宅で一人稽古していると濃茶が余り上手に点てられません。他の所や、一人で無い時はそうでもないのですが、一人だとどうも気分が乗らないのか上手くいきません…

原因は恐らく一人だからお茶をケチって少なくしてしまい、上手くいかないのだと思います。自分の中ではそんなことはしていないと思うのですが、無意識にそうしてしまっているのでしょう。特に一人分を点てるときはお茶の量が少ないと絶対に上手くいきませんからね。

しかし、週1回通っている自分のお稽古では中々上手く点てることができています。特に先週は会心の出来でした。今週はそこまでではなかったですが、まあ上手に点てられたと思います。
濃茶6
(今週の濃茶)

これは一人分ではありませんが、当流では書院の場合、各服点といって一人分ずつ点てていきます。これが中々難しいので、結構苦労します。まあ最初はもう少し点てやすい2~3人分位を点てるお稽古から始めますから安心してください。




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今日のお菓子(亀廣保さん)


昨日は下弦の月でしたね。自分の稽古が終わり帰宅する際に見ることができましたが、とても綺麗な月でした。

さて今日は干菓子のご紹介です。
お菓子66
亀廣保さんのお菓子です。右上の月は時期によっては反対にして上弦の月のようにすることもできます。その下の白いお菓子はサトイモで、葉っぱも見えていますね。左は鞘豆の洲浜でその上の赤、黄、緑のお菓子は葉鶏頭(ハゲイトウ)で、雁来紅(ガンライコウ)とも言う植物のお菓子です。夏の終わりから赤くなりはじめ、寒くなり雁が飛来するような時期になるとより一層色鮮やかになるという植物だそうです。

今回も写真を撮る前にある程度食べてしまったので、盛り方が余り良くありません。いつもつい写真を撮る前に食べてしまうんですね…気をつけてはいるのですが、食欲には勝てないということでしょうか。

しかし、いつもこちらの亀廣保さんのお菓子は綺麗なものばかりですね。お菓子が綺麗だとお盆をどうするかいつも迷います。最初母は別のお盆で考えていたのですが、私が今回のお盆に変えた方がと言って変えてもらいました。
お菓子67
こちらが最初の盛り方です。写真ではこちらの方がお菓子の良さが際立ちますが、実物では上の写真の盛り方でもお菓子の良さはよく分かりました。しかし、写真では下の方が良く見えますね…

写真よりも実際に見た時の様子が良い方を選ぶべきなのですが、ブログでご紹介する時は写真写りも考えないといけませんね…写真をもっと上手に撮れるようにならないといけない部分もあります。せっかくこれだけ綺麗なお菓子を作られているのだから、紹介する人が下手なら勿体無いですからね。しっかり頑張ろうと思います。





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炭点前と香合


当教室に今月より炭のお稽古を始められている方がいらっしゃいます。そうすると炭を切り、炭道具も考えないといけないので、色々手間が増えます。もっとも、それだけ習得されたと喜びながら準備をしていますので、全く苦痛は感じませんがね。

ただ炭道具の選択にはいつも頭を悩ませています。恐らく炭道具まで豊富に揃えてられる教室というのはそう多くないでしょう。当教室も豊富とは言い難い状況で、炭斗(すみとり)などいつもどうしようかな?と考えてしまいます。いつも同じ道具でももちろん構わないのですが、道具を換え気分を変えることで、非日常の空間を感じ、新鮮な気持ちでお茶に向き合って欲しいと考えています。そうすると中々道具が決まらなくて大変です。

さて先日より当教室で使用しております香合をご紹介しようと思います。
香合3
蔦(つた)の木を使い、鶺鴒(せきれい)が描かれています。なおちょうど今の時期は「白露」の次候「鶺鴒鳴(せきれいなく)」の時期にあたります。そうすると今の時期にぴったりと言えますが、俳句の季語では鶺鴒は秋全体に渡り使われるので、秋のうちは十分使えますね。

そういった時候のことなどをできるだけお話して、古くから日本人が感じてきたものを身近に感じてもらえるように心がけています。そうすると季節に因んだ道具を使うことが多くなりますが、そういった道具ばかりでは面白みがありません。その辺りのさじ加減が難しいなと思っています。



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慌しい3連休でした…


昨日までの3連休も慌しい日々でした。3日ともお茶漬けで中々忙しかったですが、お陰さまで大変充実しておりました。
師範者の研究会や月釜への参加、お稽古もありましたし、ご見学に来ていただいた方もありました。

そういえば、先日から当家の門に教室の看板をかけました。
看板
門が少しずつ古色を帯びてきていますので、看板が目立ちますね。この門は私が高校生くらいの時に新しくしていただきました。前の門も立派で、かなり古かったので時々お寺と間違えて「拝観はされていますか?」とお尋ねになる方もありました。

なおこの看板は母の書の先生に書いてもらいました。看板の板は門を造っていただいた大工さんに用意していただき、大変立派な看板ができてきました。この看板に負けないように私も頑張っていかないといけないですね。




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今日のお菓子(松壽軒さん)


今日は先日のお稽古で使用したお菓子です。ちょっとご紹介が遅れてしまいましたが…
最近府立図書館でお菓子の本を借りてきて、母が色々お菓子を物色しております(借りてきたのは私ですが)。今回はその本で知ったお店のお菓子とのことです。

お菓子63
松壽軒さんの月見団子ですね。ちなみに昨日は旧暦8月20日で更待月(ふけまちづき)でしたね。お店の方のお話によると十五夜が済んでも月の移ろいを楽しむ風習があるので、しばらくはこの月見団子が店頭に並ぶそうです。
なお関西ではこういった月見団子を見ることが多いですが、他の地域では月見団子と聞くとこの写真のお団子とは違うものを想像されるそうですね。こういったところに地域差があると楽しいものですね。

なお、お味はお団子がほんのり甘く、大変美味しいお菓子でした。多くの場合、お団子には味(甘味)がついてないように思いますが、こちらのお団子はほんのり甘かったので驚きました。しかし、嫌な感じの甘さでは無かったです。

もうすぐ秋の食べ物が色々出てきますね。お菓子もそれに伴い色々と工夫されるので、そちらも大変楽しみです。自分好みのお菓子を見つけられるととても嬉しいものです。ぜひこの秋に自分のお気に入りのお菓子を探してみてください。




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プロフィール

山荘流茶道教室

Author:山荘流茶道教室
京都市東山区にて山荘流の茶道教室を開講しております。
静かな環境で非日常を楽しめる教室を目指しています。

初心者の方から丁寧にお教えいたします。もちろん他の流派を習っていた方やブランクのある方も大歓迎です。

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